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GoogleがChromeの「シークレットモード」で収集された閲覧データを破棄することに同意、1兆円の価値がある勝利と原告


プライベートな情報を収集しないはずのGoogle Chromeのシークレットモードが、実際には検索や閲覧の履歴を収集していたことをめぐる裁判で、Googleがこれまで集めていた数十億件の閲覧データを削除および匿名化することで原告と和解したことが報じられました。

Google agrees to delete Incognito data despite prior claim that’s “impossible” | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2024/04/google-agrees-to-delete-private-browsing-data-to-settle-incognito-mode-lawsuit/

Google agrees to destroy browsing data collected in Incognito mode - The Verge
https://www.theverge.com/2024/4/1/24117929/google-incognito-browsing-data-delete-class-action-settlement

Google to delete search data of millions who used 'incognito' mode : NPR
https://www.npr.org/2024/04/01/1242019127/google-incognito-mode-settlement-search-history

今回決着した裁判は、ブラウザのシークレットモードが個人情報を収集しているとして、Chasom Brown氏ら5人の原告団がGoogleに対し50億ドル(約7500億円)の損害賠償を求めた2020年の集団訴訟が発端です。Googleの社員ですら「まったくシークレットじゃない」と信頼していなかった機能が争点となったこの件は、Googleの反論を裁判所が却下するなど原告の有利に展開し、2023年12月にはついにGoogleと原告が仮和解するに至りました。

Googleが「Chromeのシークレットブラウジングは個人情報を収集している」として訴えられていた件でついに和解に合意 - GIGAZINE


これまで和解の条件は不明でしたが、2024年4月1日に裁判所に提出された(PDFファイル)文書により、Googleが「シークレットモードを使用したユーザー数百万人分のプライベートブラウジング履歴を破棄すること」で合意したことがわかりました。

Googleはまた、シークレットモードのユーザーがデフォルトでサードパーティーCookieをブロックできるようにするという、シークレットモードへの変更を今後も継続することにも合意しています。

今回の和解に先立ち、Googleはシークレットモードの画面を更新して、シークレットモードでも閲覧データが収集されていることをユーザーに告知し、デフォルトでサードパーティーCookieをブロックする機能を追加していました。


原告団の弁護士を務めたデビッド・ボイズ氏は、「Googleはこの和解により、Google自身が数十億ドル(数千億円)相当と推算したプライベートなデータをひそかに収集することができなくなるとともに、これまで不適切に収集したデータを前例のない範囲と規模で削除し、是正することを余儀なくされます」と述べました。

ボイズ氏らによると、今回の和解で救済されるユーザーらのプライベートなデータの価値は、控えめに算定しても47億5000万ドル(約7200億円)から78億ドル(約1兆1800億円)と見積もられているとのことです。


Googleは裁判の中で、「データの保存方法により、プライベートブラウジングのデータを特定することができないため、データの削除も不可能である」と主張していましたが、今回の和解でGoogleは「問題となっているデータセットを100%修正します」と約束しました。

Googleの広報担当であるホセ・カスタニェダ氏は「私たちは、ずっと意味がないと確信していたこの訴訟で和解できてうれしく思っています」とコメントしました。また、原告は当初50億ドルの賠償金を求めていましたが、和解の一環として「原告が受け取った額はゼロになりました」と述べました。

Googleが指摘した通り、今回の和解で原告は金銭的な損害賠償を受け取りませんでしたが、和解案には「後続の裁判で個人が損害賠償を求めてGoogleを訴える権利」の留保が盛り込まれています。IT系ニュースサイト・The Vergeによると、裁判所には既に50件の損害賠償請求が提出されているとのことです。

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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks

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