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プライバシーモード中もユーザー情報を収集しているとの訴えに反論するGoogleの略式判決要求を裁判所が却下


2023年8月7日、Googleが数百万人のプライバシーを違法に侵害したとするユーザーからの訴訟において、略式判決を求めるGoogleの要求をカリフォルニア州の判事が却下しました。Googleを訴えている人々は、ユーザーが「プライバシーモード」でウェブブラウジングを行っている際に、Googleがユーザーを追跡していたと主張しています。

$5 billion Google lawsuit over ‘incognito mode’ tracking moves a step closer to trial - The Verge
https://www.theverge.com/2023/8/7/23823878/google-privacy-tracking-incognito-mode-lawsuit-summary-judgment-denied

2020年6月、プライバシーモードで使用中のウェブブラウザを介してGoogleが個人のインターネットの使用情報を追跡したとして、Googleとその親会社であるAlphabetが集団訴訟を提起されました。原告側は、Googleが「Google アナリティクス」や「Google アドマネージャー」などのツールを用いてユーザーデータを追跡している点と、そうしたデータをプライバシーモード中に追跡することを明記しなかった点を問題視し、Googleに対して50億ドル(約7200億円)の損害賠償を求めています。

Googleに対して約5400億円の損害賠償を求める集団訴訟、「Googleはプライバシーモードのブラウジングからも個人情報を収集している」と原告は主張 - GIGAZINE


Googleは本件について「新しいシークレットタブを開くたびに明記しているように、ウェブサイトはセッション中の閲覧活動について情報を収集できる可能性があります」と反論していますが、初手として提出した訴訟棄却請求は2021年3月に却下されています。

Googleが5000億円超の損害賠償の棄却に失敗、Chromeの「シークレットモード」でも個人情報を収集している問題を巡り - GIGAZINE


Googleは裁判の時間と費用を回避しようと略式判決を求めていましたが、カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所のイボンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ判事はこれを却下。Chromeのプライバシーポリシーやヘルプページ等に記載されているプライバシーモードに関する記述を精査し、「全体としてみれば、これらの記述がユーザーのデータを収集しないという強制力のある約束を作成したかどうかについては、審理可能な問題が存在する」と指摘しました。

この判決に対し、Googleの広報担当者であるホセ・カスタニェダ氏は「私たちはこれらの主張に強く異議を唱え、それに対して私たち自身を力強く弁護します。Chromeのシークレットモードでは、ブラウザやデバイスにアクティビティを保存せずにインターネットを閲覧することができますが、新しいシークレットタブを開くたびに明記しているように、ウェブサイトはセッション中の閲覧活動について情報を収集できる可能性があります」と述べました。


裁判官が言及したもう一つの問題は、「Googleがユーザーの通常の閲覧データとプライベートの閲覧データを同じログに保存していること」「ユーザーにパーソナライズされた広告を送るためにそれらの混在したログを使用していること」「収集された個々のデータポイントがそれ自体では匿名であっても、集計されるとGoogleは高い確率でユーザーを特定することができること」に関する証拠を原告側が持っていることにあります。

こうした証拠も含め、Googleは後の裁判にて本件に関する具体的な説明を求められることになります。

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in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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