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医師と患者の会話をAIでメモや要約に変換する技術が一大ビジネスとなりつつあるとの報告


近年では、Googleが医療面接に特化したAI「Articulate Medical Intelligence Explorer(AMIE)」を開発するなど、医療分野でのAI利用が急速に拡大しています。医療の質や安全性の向上を推進する非営利団体Healthcare Information and Management Systems Society(HIMSS)が開催したカンファレンス「HIMSS 24」での大きな話題は、医療分野における生成AIに関する技術でした。

HIMSS 2024: Ambient clinical documentation steals the show
https://www.cnbc.com/2024/03/16/himss-2024-ambient-clinical-documentation-steals-the-show.html


2024年3月11日から15日までアメリカ・フロリダ州オーランドで開催されたHIMSS 24では、患者の診察の際の会話をAIを活用して自動的に臨床メモや要約に変換する「Ambient clinical documentation」という技術が大きな話題を生みました。

患者の診察を臨床メモや要約に変換する行為は、臨床医にとって大きな負担となっています。ヘルスケアツール開発企業・Athenahealthの2024年2月の調査では、医師の90%以上が「定期的に燃え尽き症候群を感じている」と報告していることが示されています。また、医師の60%以上が週平均15時間の勤務時間外労働に従事していることも報告されました。

これらの管理業務は、患者の診断やケアに関する医師の意志決定に直接影響しないため、生成AIを活用した医療システムの構築が急務となっています。そこで、Microsoft傘下のNuance CommunicationsAbridgeSukiなどの企業は、Ambient clinical documentation技術を備えたソリューションを発表しています。


これらの企業は、Ambient clinical documentation技術について「医師の管理作業による負荷を軽減し、患者との有意義なつながりを優先するのに役立ちます」と主張しています。

Ambridgeのシヴ・ラオCEOは「これまで、患者を診察した後は、患者が語る症状について要約し、メモを残す必要がありました。しかし、Ambient clinical documentation技術を用いたソリューションを導入することで、スタートボタンを押して患者と会話を繰り広げ、ストップボタンを押すだけで自動的にメモが出来上がります。そのため、医師は患者との会話に集中することができるようになります」と述べました。

Nuance Communicationsは2023年9月に、Ambient clinical documentation技術を備えたツール「DAX Copilot」を一般公開しました。記事作成時点では、200以上の組織がDAX Copilotを導入しているとのこと。


Nuance Communicationsでゼネラルマネージャーを務めるケネス・ハーパー氏は「私たちのチームには、ほぼ毎日、DAX Copilotに関する医師からのフィードバックが寄せられています。多くの医師が、DAX Copilotによって自分自身のストレスケアに役立ったことを報告しているほか、一部の医師からは『結婚生活が救われた』との意見も挙っています」と述べています。

HIMSS 24では、医療団体のStanford Health CareがDAX Copilotを全病院や組織に展開することを発表しました。

DAX Copilotに関しては、スタンフォード大学の調査で96%の医師が「使いやすい」と回答したほか、Stanford Health Careの最高医療情報責任者のクリストファー・シャープ氏が「DAX Copilotは驚くほどシームレスに使用できます」と評価しています。

さらにNuance CommunicationsはDAX Copilotを、医療ソフトウェア開発企業のundefinedが提供する電子カルテ作成のワークフローに組み込むことを検討しています。ハーパー氏は「DAX Copilotのようなツールを直接統合することで、これらのツールにアクセスするためにアプリを切り替える必要がなくなり、時間の節約につながります。その結果、事務作業の負担をさらに軽減することが可能となります」と述べました。


すでにAmbridgeは自社のAmbient clinical documentationツールを電子カルテ作成ワークフローに組み込んでおり、ラオ氏は「医療業界がAmbient clinical documentationを導入する割合は歴史的なものとなっています」と評価しています。

SukiのAmbient clinical documentationツールはすでにアメリカ国内で、約250の保健機関に属する30人以上の専門医によって使用されているとのこと。Sukiは同社のAmbient clinical documentationテクノロジーを導入することで、医師がメモを作成する時間を約72%削減することが可能と主張しており、テクノロジーの大規模な展開や看護師の支援、他言語への対応などに向けた追加のアプリケーションの開発を実施していることを明かしました。

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in ソフトウェア, Posted by log1r_ut

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