Adobeと競合するデザインスイート・Affinityが4つの誓いを発表、永久ライセンス買い切り型は買収後も維持される
オンラインデザインプラットフォームであるCanvaが、クリエイティブスイートのAffinityを買収した件について、Affinityが今後について4つの誓約を発表しました。その中で、Affinityは「永久ライセンス買い切り型」という現行のビジネスモデルを変えないと誓っています。
The Affinity and Canva Pledge
https://affinity.serif.com/en-us/press/newsroom/affinity-and-canva-pledge/
Canvaはスマートフォンのブラウザから簡単にバナーやSNS用の画像を編集できるサービスです。一方、Affinityは、AdobeのIllustrator・Photoshop・InDesignと競合するクリエイター向けのプロフェッショナルデザインツールとして知られており、Canvaによって買収されることが発表されたばかりでした。
Adobe PhotoshopやIllustratorの代替ツールとして人気の「Affinity」をCanvaが買収 - GIGAZINE
競合であるAdobeは「Creative Cloud」というサービスでPhotoshopやPremiere Proといったソフトを管理しています。このCreative Cloudに登録しているソフトを使うためには、月額あるいは年額有料のサブスクリプションプランに登録する必要があり、ソフト単体の買い切りはできません。一方、AffinityはリリースされているDesigner・Photo・Publisherの3種すべての永久ライセンスが買い切り型で購入可能です。価格もAdobeと比較すると安価であることから、Adobeの代替ツールとして人気があります。
しかし、今回Canvaに買収されることが発表されたことで、Affinityのビジネスモデルが大きく変わるのではないかと懸念する声があがりました。そのため、Affinityは「今後私たちの将来とAffinityコミュニティへの取り組みについてもっと共有したいと思いました」と語り、以下の4つの誓約を公開しています。
Today we make four pledges to the Affinity community. Read them here https://t.co/ehKIj5RWTl pic.twitter.com/B86dOjl6lY
— Affinity (@affinitybyserif) March 27, 2024
1:Affinityの永久ライセンスを含め、公正性と透明性、そして手頃な価格設定に努める
Affinityは「私たちはデザインを公平でアクセスしやすいものにするという取り組みを共有しています」と述べ、永久ライセンスを買い切り型で購入できる従来のビジネスモデルを変えないと発表しました。ただし、Canvaユーザーが新たにAffinityをオプションとして使いたいというケースに合わせて、買い切り型に加えてサブスクリプション型も用意するとのこと。
2:スタンドアロン製品スイートとしての継続的な投資を通じて、Affinity製品の拡大に尽力する
CanvaにAffinityが買収されることで、Affinityの開発に影響が出ないかという懸念に対し、Affinityは「私たちは共有リソースを活用し、Affinity製品の拡大を継続することに取り組んでいきます。私たちは可変フォントのサポート、自動オブジェクト選択、ePubエクスポートなど、リクエストの多かった機能の展開を加速することを楽しみにしています」とコメントしました。
3:学校や非営利団体にはAffinityを無料で提供する
スマートフォンのブラウザから簡単にバナーやプレゼン資料などを作成できるCanvaは、世界中の教育機関や非営利団体にプレミアムプランを無料で提供しているとのこと。これと同じように、Affinityもまた教育機関や非営利団体に対してライセンスを無償提供することを計画しているそうです。
4:今後もデザインコミュニティの意見に耳を傾けて重視する
Canvaはデザイン教育を受けていない人向けのサービスであり、Affinityはプロフェッショナルのクリエイター向けのデザインツールです。「AffinityがCanvaに買収されることで、Affinityがデザイナー向けのツールでなくなってしまうのではないか」という懸念に対し、Affinityは「何が必要なのかはデザインコミュニティが最もよく知っていると私たちは信じています。そのため、私たちは顧客のアイデアやフィードバック、ニーズに基づいて製品を開発することに尽力します」と語り、ユーザーが意見を投稿できるプラットフォームを公開しています。
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