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ついにAdobe Creative Cloudのサブスクをキャンセルする方法について規制当局が調査に乗り出す、あまりにもめちゃくちゃなルールをユーザーに押し付けているため


Adobeのソフトウェアをサブスクリプション方式で利用できるサービス「Creative Cloud」をキャンセルする方法について、アメリカの連邦取引委員会(FTC)が調査を行っていると報じられています。

Difficulty Canceling Adobe Subscriptions Under Fire From FTC - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-12-13/difficulty-canceling-adobe-subscriptions-under-fire-from-ftc


Adobe Says Significant Costs, Penalties May Arise Out of FTC Investigation - MarketWatch
https://www.marketwatch.com/story/adobe-says-significant-costs-penalties-may-arise-out-of-ftc-investigation-5990ff37


AdobeのPhotoshopやPremiere Pro、Illustratorなどを利用するためには、Creative Cloudで月額有料のサブスクリプションに登録する必要があります。しかし、このサブスクリプションプランを解約しようとしても、全額返金を受けるにはサブスクリプション購入後2週間以内にキャンセルする必要があり、それより遅い場合は日割りで料金を支払う必要があります。

また、解約しようとしてもすぐに解約できず、料金の引き下げなどをちらつかせて解約を阻止しようとするという報告もあります。

Adobe Creative Cloud更新時期になったので、また解約する振りしたら、今年も半額に値引きしてくれた。 pic.twitter.com/xFBcPmU49T

— をぢ (@Woggieeee)


Creative Cloudの解約画面探してたら唐突な半額オファーが表示されていた...Adobeそういうとこやぞ〜!! pic.twitter.com/7b81Otg6eu

— takejune (@takejune)


また、Creatie Cloudのトライアルに申し込むと年間契約の開始に同意したことになり、あとから気付いて登録を解除しようとしてもおよそ2万円のキャンセル料を科せられるというやり口も報告されています。

Adobeのひどいダークパターン。Adobe Creative Cloudの「7日間無料トライアル」に申し込むと、自動的に年間契約の開始に同意したことになる。しかもキャンセル料は年間利用料の半額 (約2万円強)。この注意書きは最小のフォントで書かれており、しかもスクロールバーが見えないようなUIになっている。 https://t.co/2yOlVRj2Iy

— 新山祐介 (Yusuke Shinyama) (@mootastic)


こうしたAdobeのやり方に顧客からの苦情が殺到しており、FTCがついに調査に乗り出した模様。FTCは、2023年3月に「消費者がサブスクリプションに登録するのと同じくらい簡単にサブスクリプションを解約できなければならない」という規則を提出しています。ジョー・バイデン大統領は「企業がサブスクリプションサービスの解除を困難にしていることがあまりにも多く、アメリカ国民は望まないことや必要のないことに時間やお金を無駄にしています」というポストを投稿しました。

Too often, companies make it difficult to unsubscribe from a service, wasting Americans’ time and money on things they may not want or need.

I support @FTC's proposal requiring companies to fix this.

It shouldn’t be harder to cancel a service than it was to subscribe for it. https://t.co/4EzRGGUBDo

— President Biden (@POTUS)


規制当局への提出文書によると、Adobeは2022年6月からオンライン顧客の信頼回復について自社の慣行に関する情報を求めてFTCと協力しているとのこと。FTCは2023年11月にAdobeに対して「これらの問題の調査に関して和解が成立するかどうかを判断するための同意交渉を行う権限があります」と警告したそうですが、Adobeは「自分たちの行為が法律に準拠していると信じています」とコメントしています。


また、Adobeはデザイン管理ツールの「Figma」を200億ドル(約2兆8000億円)で買収すると発表したことについて、アメリカやEU、イギリスの規制当局から独占禁止法違反で調査を受けていることが報じられています。

Adobeによる3兆円規模のFigma買収についてEUの規制当局が独占禁止法違反で訴訟を起こす予定だと判明 - GIGAZINE


なお、Adobeは2023年12月13日に2023年第4四半期(9月~11月)および2023年会計年度の財務結果を報告しています。2023年第4四半期の総収益は50億5000万ドル(約7180億円)で前年同期比12%増、営業利益(GAAPベース)は17億4000万ドル(約2470億円)、純利益(GAAPベース)は14億8000万ドル(約2100億円)でした。また、2023年通年の総収益は前年比10%の194億1000万ドル(約2兆7600億円)、「記録的な収益を達成した」とAdobeは述べています。

Adobe Reports Record Q4 and Fiscal 2023 Revenue | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20231213946803/en/


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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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