Google共同創業者のサーゲイ・ブリンがGeminiや汎用人工知能について語る

Googleをラリー・ペイジとともに作った共同創業者のサーゲイ・ブリンが、AIの創設者や研究者のコミュニティ・AGI Houseのハッカソンに参加し、Googleが運用しているAI・Geminiや汎用人工知能(AGI)について語りました。

Sergey Brin says Google 'definitely messed up' with Gemini launch
https://www.cnbc.com/2024/03/04/sergey-brin-says-google-definitely-messed-up-with-gemini-launch-.html

Google's Co-founder answers questions about Gemini and AGI.
https://bensbites.beehiiv.com/p/googles-cofounder-answers-questions-gemini-agi

ブリン氏はまず、Geminiの画像生成問題についての質問を受けました。この件についてはすでにスンダー・ピチャイCEOが「容認できない」と24時間体制で修正に取り組むことを表明しています。

Googleのスンダー・ピチャイCEOがマルチモーダルAI・Geminiの過剰な多様性問題を「まったく容認できない」とコメント - GIGAZINE

by World Economic Forum

ブリン氏もピチャイCEOと同様の見解で、「私たちは『画像生成』をダメにしてしまった」と厳しい回答。テストが徹底できていなかったと述べ、多くの人々を動揺させてしまったと反省の弁を口にしました。

実際にGeminiを使うと「極端に急進的(極左的)」な結果が出力されることを確認したというブリン氏は「なぜそうなるのかを我々が完全に理解することはできないし、我々の意図したものでもありません」とコメント。その上で、すでに8割は改善されてきていると言及しました。

一方、マルチモーダルの進化に伴って、今後「映像のChatGPT」のようなものを作る予定があるのかという質問には、すでに映像と音声において初期の実験を進めており、とてもエキサイティングであると回答しています。

ブリン氏は2023年1月、コードへのアクセスを求めるリクエストを提出し、久々に現場復帰かと話題になりました。しかし、ブリン氏自身によれば昨今はコードを自ら書くことはなく、ときどきデバッグを行ったり、モデルの仕組みを理解したりするぐらいだとのこと。コードが必要なときはAIを活用しているというブリン氏は「彼らはとてもいい仕事をする」と、出力されたコードに満足しているようでした。

AI分野では、OpenAIのCEOに復帰したサム・アルトマン氏が最大で7兆ドル(約1050兆円)の調達を目指していることがうわさされることについて問われ、ブリン氏は「詳しくはわかりません、少なくとも(アルトマン氏は)私には7兆ドルを要求してきていません」と回答しました。

また、法人向けの販売・サポートも終了が決まったスマートグラス「Google Glass」については「間違いなく時期が早かったし、まだ消費者向けハードウェアのサプライチェーンにも慣れていませんでした」と戦略ミスがあったことを認めました。ただし、Apple Vision ProやOculusのような端末と比較してGoogle Glassは軽量設計で、ブリン氏が目指していたものではあったそうです。

汎用人工知能についての取り組みについて、ブリン氏は「もちろんやります」と明言。Alphabetを退職したのはAIに取り組むためだと述べました。

なお、これらの発言内容についてはあくまでブリン氏が個人的に答えたものであり、GoogleやAlphabetの会社としての方針とは無関係であるとのことです。

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