SNSのボットは世論に影響を与え市場を操作することもできるという研究結果
SNSには色んな背景を持つ人々による多種多様な意見が投稿されていて、時には間違った情報が投じられることもあります。ただ、意図せず間違えたならばともかく、悪意を持った人物により意図的に誤った情報が広められるということがしばしば発生することも。こうした情報がどのように広まるかを調査した研究により、自動生成された文章を投稿する「ボット」と呼ばれるアカウントがたやすく情報を操作できてしまうことがわかりました。
Social Bots and the Spread of Disinformation in Social Media: The Challenges of Artificial Intelligence - Hajli - 2022 - British Journal of Management - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1467-8551.12554
Unlocking the secrets of social bots: Research sheds light on AI's role in spreading disinformation
https://techxplore.com/news/2024-02-secrets-social-bots-ai-role.html
イギリスとカナダの研究者チームは、「テキストマイニング」と「機械学習技術」を駆使し、X(Twitter)におけるボットの行動を分析しました。
研究者らは英語が書かれた3万件の投稿を分析し、人間によって書かれたものかどうかをチェック。ボットによって書かれたものだけを抜き出して、その投稿がどのように広がったのかを確かめました。
研究者によると、SNS上のボットは世論に影響を与え、市場を操作する力さえ持っており、議論をエスカレートさせたり、株式市場に混乱を与えるなど多くの有害な行為を実行できるとのこと。
研究者は「我々の研究は、偽情報の拡散を防ぐために、彼らの意図を理解し、その存在を早期に発見することの重要性を強調しています」と主張。本研究は、人間とボット間の相互作用を検証する理論的枠組みを提供したものだと説明しました。
研究に携わったMina Tajvidi氏は「私たちの発見は、検出技術を強化し、オンライン上の言説を形成する上でソーシャルボットが果たす役割に対する認識を深める必要性を浮き彫りにしています」と語り、AIの影響がますます広まっているすべてのソーシャルメディア・プラットフォームに、偽情報拡散の脅威が及んでいる点を強調しました。
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