ソニーのフルサイズミラーレス「α9 III」撮影レビュー、「グローバルシャッター」「毎秒120枚連写」「8段分の手ブレ補正」など先進機能を詰め込みまくり
2024年1月26日に登場したソニーのミラーレス一眼カメラ「α9 III」は世界で初めてグローバルシャッター方式のフルサイズセンサーを搭載しており、歪みのない写真を撮影可能です。さらに、α9 IIIには秒間120枚の超高速連写機能や被写体を自動で認識してピント合わせる機能、8段分の手ブレ補正機能なども搭載されています。そんなα9 IIIをソニーから借りられたので、実際に静止画を撮影して性能を確かめてみました。
α9 III | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-9M3/
・目次
◆1:グローバルシャッター搭載でローリングシャッター歪みが発生しない
◆2:毎秒120枚連写&高性能AFでベストショットを量産できる
◆3:色再現性能を検証してみた
◆4:暗所性能が非常に優秀
α9 IIIの外観や搭載ポートの詳細は以下の記事で確認できます。今回はα9 IIIにEマウントレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM II」を装着して多様な被写体を撮影し、グローバルシャッターの効果や色再現性能などを検証してみました。なお、本記事内の写真はすべて三脚を使わず手持ちで撮影しており、ウェブページ用にサイズを縮小する以外の編集は加えていません。
毎秒120枚連写可能なグローバルシャッター式フルサイズミラーレス一眼「α9 III」の外観やシャッター音を細かくチェックしてみた - GIGAZINE
◆1:グローバルシャッター搭載でローリングシャッター歪みが発生しない
ほとんどのミラーレス一眼カメラのセンサーは「画素を順番に読み出す」という仕組みを採用しているため、電子シャッターで撮影すると「高速に動く物体の形状が歪む」という現象が発生します。α9 IIIはセンサーのすべての画素を同時に読み出すグローバルシャッター方式のセンサーを搭載しており、歪みのない写真を撮影可能です。
駅を通過する電車をα9 IIIで正面から撮影した写真が以下。グローバルシャッターを搭載していないカメラで走行中の電車を撮影すると平行四辺形に歪んでしまいますが、α9 IIIでは歪みのない写真を撮影できました。
歪みが発生しないので、以下のように「走行中なのに車両もホームも歪んでいない電車の写真」も撮影可能。電車が爆速で通過しているのに、静止しているように見えます。
電車が動いて見えるようにシャッタースピードを遅めにして撮影した写真が以下。フリッカーにローリングシャッター歪みがないのもグローバルシャッターならではのポイントです。
◆2:毎秒120枚連写&高性能AFでベストショットを量産できる
α9 IIIには被写体を認識して自動でピントを合わせる「被写体認識AF」機能が搭載されています。認識対象は「人物」「動物/鳥」「動物」「鳥」「昆虫」「車/列車」「飛行機」のいずれかから選択可能です。
認識対象を「車/列車」に設定してカメラを電車に向けると、以下のように電車の正面が四角い枠で囲まれました。この状態で撮影すれば、電車にピントが合った写真を撮影できます。
さらに、α9 IIIには毎秒120枚の超高速連写機能も搭載されています。被写体認識AFと超高速連写を組み合わせることで、「カメラを被写体にサッと向けて、見栄えが良さそうなタイミングでシャッターボタンを長押しし、後から写真管理ソフトなどでベストショットを選択する」という操作を実現できます。
被写体認識AFと超高速連写を組み合わせて撮影した写真が以下。毎秒120枚の写真を撮影することで車両の位置がベストポジションになった瞬間を捉えることができました。
◆3:色再現性能を検証してみた
α9 IIIの色再現性能を確かめるために、ホワイトバランスを含むすべての設定をオートに設定して食べ物の写真を撮影してみました。
「ネパール食堂バルピパル」で骨付き肉を撮影してみた結果が以下。焦げ目の部分が黒つぶれせずに描写されています。
以下の写真に写る皿は実際はもっとオレンジ寄りの黄色なのですが、白っぽく描写されました。照明が暖色系だったことが影響していると思われます。
松屋のシュクメルリを撮影してみました。鍋の影がつぶれ気味。
ご飯は実際の色よりオレンジ色っぽくなってしまいました。写真の右方向から夕日がさしていたのが原因かも。α9 III食べ物を撮影する際はホワイトバランスをカメラに任せず自分で調整した方がいいです。
以下は、室内で白い机の上にゲーミングノートPC「Razer Blade 16」の箱や電源ケーブルを置いた状態の写真です。白い机の上に黒い物を置くと露出が狂いがちですが、α9 IIIではちょうどいい露出に自動で設定できました。
白い机に白い電源タップを置いて撮影。電源タップの一部が背景に溶け込んでしまいました。α9 IIIのダイナミックレンジは一般的なフルサイズセンサー搭載カメラと比べて狭めなようです。
◆4:暗所性能が非常に優秀
前世代のモデルのα9 IIは5.5段分の手ブレ補正性能を搭載していましたが、α9 IIIでは手ブレ補正性能が8段分にグレードアップしています。一方で、α9 IIの常用ISO感度は最大5万1200でしたが、α9 IIIの最大常用ISO感度は2万5600に下がっています。そんなα9 IIIの暗所での撮影性能を検証するべく、多様な状況下で写真を撮影してみました。
まず、「照明を消した部屋」の写真を撮影してみます。照明を点灯した状態の部屋はこんな感じ。
照明を消すと、肉眼では手前の白い柱がぼんやり見えるだけになります。
「焦点距離:24mm」「シャッタースピード:0.8秒」「f値:2.8」「ISO感度1万2800」という設定で撮影した写真が以下。肉眼よりも圧倒的に明るい写真を撮影できました。「手持ちでシャッタースピード0.8秒」という悪条件ですが、ブレずに撮影できています。
夜中の神社に移動。照明は本殿に設置されているのみで、肉眼だと以下のような暗さです。
「焦点距離:32mm」「シャッタースピード:1/13秒」「f値:2.8」「ISO感度1万2800」で撮影した写真が以下。
等倍表示して一部分を切り抜いてみました。塗り絵状態にならずキレイに描写されています。
カメラを空に向けて手持ち状態で星を撮影できるか試してみました。
オリオン座を撮影することに成功。撮影設定は「焦点距離:24mm」「シャッタースピード:1/5秒」「f値:2.8」「ISO感度1万2800」です。
「焦点距離:58mm」「シャッタースピード:1/13秒」「f値:2.8」「ISO感度1万2800」で花壇の花を撮影。紫やオレンジ、白、緑といった色を再現できています。
等倍表示して一部分を切り抜くとこんな感じ。ISO感度1万2800にしてはノイズが少なめです。
なお、記事作成時点ではα9 IIIのボディ単体がAmazon.co.jpで税込79万2000円で入手できます。
Amazon | ソニー フルサイズ ミラーレス一眼カメラ α9Ⅲ ボディ(レンズなし) ブラック ILCE-9M3 | ミラーレス一眼 通販
・つづき
α9 IIIで動画を撮影してみるレビュー記事を公開しました。
グローバルシャッター搭載フルサイズミラーレス「α9 III」動画撮影レビュー、歪みなく動画撮影可能かどうかいろいろやってみた - GIGAZINE
◆あなたが「α9 III」でレビューして欲しい点を教えて!
「こうするとどうなるかやってみて!」「こういうことできる?」「こんな時どうなる?」など実際に使うからこそ試して欲しいポイントを以下のリンク先から教えてください~。他の誰かと内容が重なってもOK、むしろ多ければ多いほど「やはりこういう点が気になるのだな~」というのがわかるので助かるのです。そして次のレビュー記事作成に反映されてお役立ち!このレビュー記事もいろいろ反映されてます!今がチャンス!
• Discord | "ミラーレス一眼「α9 III」についてレビューして欲しい点を教えて!" | GIGAZINE(ギガジン)
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