ソニーが最先端技術を詰め込んだミラーレス一眼カメラ「α1」を触ってみた
ソニーがフルサイズミラーレス一眼カメラとして、これまでのシリーズよりも高速かつ高い解像度を備え、動画撮影でも8K30pに対応した「α1」を2021年3月19日(金)に発売しました。カメラ市場はスマートフォンの勢いに押されて苦戦していますが、そこに投入されたプロフェッショナル向け機種がどのようなものなのか、実際に触ってみました。
α1 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-1/
「α1」一式はこんな感じで、説明書類、本体、バッテリー、充電器、ストラップ、アイピースカップ、ケーブルホルダー、USBケーブルが同梱されています。
本体正面。αシリーズ共通の、マウント部分のオレンジ色が目立ちます。
左側面には各種接続ポートが、きっちり密閉できるフタに覆われていました。LANケーブルを接続できるイーサネットポートや、ミニサイズではなくフルサイズのHDMIポートなどが特徴的。なお、USB Type-Cポートを利用してのUSB給電で撮影・再生・Wi-Fiなどへ接続することが可能です。
これが背面。
アイピースカップは外した状態です。
モニターはチルト液晶で、下方には約41度可動。
いったん引き出すと、上方へは約107度可動します。
メニューはα7S IIIで一新された構成が採用されています。
右側面はSDカードとCFexpress Type Aメモリーカードの両方に対応したスロットが2つ並びます。
ずらっとダイヤルやボタン類の並ぶ天面。
底面はこんな感じ。
重さはバッテリーやストラップ込みで782g。
大口径標準ズームレンズであるSEL2470GM(FE 24-70mm F2.8 GM)装着時が、フードやキャップ込みで1719gでした。カメラを置くために使った入れ物の重さは抜いてあります。
以下、基本的に「AUTO」モードで細かい設定をカメラに任せて、いろいろなところに持ち出して撮影を行ってみました。なお、オリジナルの解像度は8640×5760ピクセルでファイルサイズが8MB~26MBと巨大なため、クリック後の画像はEXIF情報を削った上で4K解像度に近い長辺4096ピクセルに縮小しています。
桜並木(35mm・ISO 100・F10・1/160s)
桜の花びらが流れる高田川(65mm・ISO 100・F5・1/250s)
木の根元にいたトカゲ(70mm・ISO 100・F5.6・1/100s)
大中池に集まった花びら(70mm・ISO 100・F10・1/250s)
近鉄南大阪線・準急あべの橋行き(67mm・ISO 100・F5・1/400s)
高田川と近鉄南大阪線(70mm・ISO 100・F5・1/320s)
見上げた電柱(35mm・ISO 100・F5・1/1000s)
まるで置物のように静かに座っていた猫(70mm・ISO 100・F4・1/160s)
奈良公園・鷺池の浮御堂(70mm・ISO 100・F4.5・1/100s)
浅茅ヶ原の鹿(70mm・ISO 125・F4・1/160s)
近寄ってきた鹿(24mm・ISO 250・F4・1/160s)
浅茅ヶ原の鹿・横顔(70mm・ISO 320・F4・1/160s)
春日大社方面へ道路を横断する鹿(70mm・ISO 320・F4・160s)
春日大社参道にある大阪の砂糖商・伊藤茂七が献灯した大灯籠(24mm・ISO 160・F4・1/60s)
飛火野の奥の方で夕食中の鹿の群れ(70mm・ISO 1600・F2.8・1/160s)
飛火野周辺の道路にある「鹿に注意」マークつきデリニエーター(28mm・ISO 160・F4・1/60s)
あべのハルカス方面に向かう阪堺上町線・天王寺駅前行き(33mm・ISO 10000・F2.8・1/160s)
阪堺上町線・松虫電停(24mm・ISO 12800・F2.8・1/160s)
「モ161号」動態保存に向けた大規模修繕工事のためのクラウドファンディングお知らせポスター(54mm・ISO 4000・F2.8・1/160s)
ルクア11階から梅田スカイビル方面(24mm・ISO 12800・F2.8・1/60s)
JR大阪駅のホームを見下ろす(70mm・ISO 1600・F2.8・1/160s)
撮影した動画はこんな感じです。三脚・マイクなどの機材は一切用いない手持ち撮影オンリーで、以下は立ってぱっとカメラを構えて撮影した感じ。
SONY「α1」撮影動画:高田川を流れる桜の花びら - YouTube
以下は座って体をほぼ動かさない状態で撮影しています。
SONY「α1」撮影動画:奈良公園・浅茅ヶ原の鹿 - YouTube
以下の動画は鹿が走り始めたのを歩いて追いかけながら撮影したもの。カメラをちょっと横に向けていることもあり、撮影者の上下動がかなり反映された内容となっています。
SONY「α1」撮影動画:飛火野で鹿を追う - YouTube
以下は木に体重を預けて撮影したものです。大きなノイズは、風に揺られた木々の葉ずれです。
SONY「α1」撮影動画:鹿を見守る - YouTube
軽く使っただけでも、極めて優秀な性能を詰め込まれていることを実感するカメラで、「進化するプロの創造性に最先端技術で応える」とニュースリリースでうたわれているのも納得のカメラです。
たとえば、電子シャッター撮影時の動体ゆがみが従来比で約1.5倍抑えられていたり、最高連写が秒間30枚だったりといった進化を遂げています。
オートフォーカスのカバー範囲は撮像範囲の約92%、検出能力も従来比30%向上ということで、これらは連写枚数などと違って具体的な数字として画面に出るわけではないものの、使っていると「修行から帰ってきて一回りか二回り強くなった」みたいな印象を受けます。こうした点はプロではなく、アマチュアのカメラマンでも大いに恩恵を受けられる部分です。
さらに納品まで考えなければならないプロの場合、「α9II」と比べてワイヤレスのデータ転送量が約3.5倍というのは、かなりの強みになるはず。
すでにαシリーズで培われたものがすべて詰め込まれているので、持ったときのホールド感も抜群。レンズをつけて1.7kgというのは、手の中に収まるスマホに比べて何倍もの重さですが、グリップをしっかり握り込めるので、重量をそこまで感じさせません。
「α1」(ILCE-1)は、ソニーストアでは本体のみ・メーカー保証3年つきで、税込88万円での販売です。
ILCE-1 購入 | デジタル一眼カメラ α:アルファ | ソニー
https://pur.store.sony.jp/ichigan/products/ILCE-1/ILCE-1_purchase/
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