レビュー

ニコンが満を持して放つフルサイズミラーレスカメラ「Z 7」「Z 6」をあちこち持ち出してみた


D5」を筆頭としたプロ・ハイアマチュア向けの一眼レフカメラや、コンパクトデジタルカメラ「COOLPIX」シリーズで知られるニコンが、D5やD850などで採用しているニコンFXフォーマット(35mmフルサイズ)のミラーレスカメラ「Z」シリーズから「Z 7」と「Z 6」の2機種を世に送り出しました。

2015年発売の「Nikon 1 J5」以来、3年ぶりに帰ってきたニコンのミラーレスカメラはどのような使い勝手なのか、レンズと合わせてニコンから借りて、あちこち持ち出してみました。

Z 7 - 概要 | ミラーレスカメラ | ニコンイメージング
https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_7/

Z 6 - 概要 | ミラーレスカメラ | ニコンイメージング
https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_6/

外観
左が「Z 7」、右が「Z 6」。向かって右下にそれぞれのロゴが入っているので違いがわかりますが、それ以外の外見上の違いはまったくありません。


背面側もこんな感じで同一仕様。


ロゴを隠すとどちらがどちらかわかりません。内部的には、Z 7は有効画素数4575万画素・常用ISO感度64-25600の高画素モデル、Z 6は有効画素数2450万画素・常用ISO感度100-51200で高感度撮影に優れたオールラウンダーという違いがあります。画素数の差は価格の違いにも表れ、ニコンダイレクトでの販売価格で比較すると、Z 7(ボディーのみ)は税込43万7400円、Z 6(ボディーのみ)は税込27万2700円と、約16万円の差がついています。


正面はこんな感じで、寸法は約134mm×100.5mm×67.5mm。


背面モニターはチルト式の3.2型TFT液晶。


真上向きから……


斜め下向きまでの角度を取ることが可能。


右側のグリップ部分は大きく張り出しています。


グリップ内部にはXQDメモリーカードスロット。


XQDメモリーカードはコンパクトフラッシュ(CF)やSDカードとは互換性のないメモリーカード。ニコンのカメラでは、D5にCFデュアルスロット機とXQDデュアルスロット機があり、D850ではXQDとSDカードのデュアルスロット装備となっていますが、Z7・Z6はXQDのみのシングルスロット仕様となっています。


本体左側には各種インターフェイスを備えます。


底面はグリップ内部がバッテリースロットになっています。バッテリーはEN-EL15bが1つ付属。このほか、撮影可能コマ数が減少する場合がありますが、EN-EL15aEN-EL15も使用可能。Z 7付属の本体充電ACアダプターを使えるのはEN-EL15bだけです。


センサー部分はこんな感じ。フルサイズのセンサーは、D850やD5のような大きなボディの中に収まっていると違和感はないのですが、それと比べると小さなZ 7・Z 6だと、ギリギリいっぱいいっぱいのサイズで搭載されているように感じます。


バッテリーとXQDメモリーカードを挿入して、ほぼ使用時状態にしたときの重さは683g。現行のFXフォーマット機で最軽量のD750がバッテリー・SDメモリーカード込みで約840gとのことなので、160gほど差があります。長時間撮影する人だと、この差は如実に影響してくるはず。


今回、このZ 7・Z 6と合わせて使用するレンズは、2018年9月に発売された「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」と、2018年12月7日発売予定の「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」の3本。


標準ズームレンズの「24-70mm」は557g(キャップつき・フードつき)。


大口径の単焦点広角レンズ「35mm」は421g(キャップつき・フードつき)。


大口径の単焦点標準レンズ「50mm」は469g(キャップつき・フードつき)。


24-70mmを装着したときの姿はこんな感じ。


グリップにちょうど親指がしっかり引っかかるようになっていて、ホールド感が非常に高く、撮影時にかなり安定します。


Z 7とZ 6の記録画素数の差
Z 7の記録画素数がFX設定(36×24)のとき8256×5504ピクセルなのに対して、Z 6は同設定で6048×4024ピクセル。これがどれぐらいの違いなのか、以下の写真の赤枠部分を拡大して比較してみました。


サムネイルは横560ピクセルに揃えて単純縮小していますが、クリック(タップ)したあとの拡大画像では、Z 7が892×501ピクセル、Z 6が654×367ピクセルと元画像由来の差が出ます。

Z 7で撮影。オリジナルのファイルサイズは21.4MB。おおむね、15MB~25MBの範囲内でした。


Z 6で撮影。オリジナルのファイルサイズは6.6MB。おおむね、4MB~10MBの範囲内でした。


印刷を前提とするのであればZ 7は大いに魅力的ですが、撮影した写真をPCで扱うという前提であれば、Z 6でも十分に役立つと考えられます。

作例
以下は実際の作例です。できるだけオリジナルに近い状態を残しつつもファイルサイズを抑えるため、EXIF情報を削った上で元の50%に縮小しています。拡大画像のファイルサイズは1MBを超えるものばかりなので、モバイル回線で閲覧時のクリック&タップには気をつけてください。

・Z6
二条城(焦点距離28mm・ISO感度:400・絞り値:F8・シャッター速度:1/250s・露出補正:+1)


阪急京都線 準急梅田行き(70mm・ISO100・F7.1・1/400s・±0)


阪急京都線 特急梅田行き(35mm・ISO100・F7.1・1/400s・±0)


永観堂の紅葉(42mm・ISO400・F6.3・1/160s・±0)


・Z7
南禅寺山門と紅葉(48mm・ISO220・F4・1/50s・+1)


南禅寺の水路(70mm・ISO25600・F4・1/1250s・+1)


新世界と通天閣(49mm・ISO100・F6.3・1/320s・±0)


天王寺動物園のシマウマとあべのハルカス(65mm・ISO110・F5.6・1/250s・±0)


羽を大きく広げたエジプトルーセットオオコウモリ(50mm・ISO25600・F1.8・1/2000s・+1)


餌箱にしがみつきつつこちらを見るスローロリス(50mm・ISO12800・F1.8・1/30s・±0)


工事中の阪神百貨店と月(51mm・ISO12800・F4・1/25s・±0)


「阪神前」交差点(24mm・ISO3200・F4・1/80s・±0)


阪堺電車と夜のあべのハルカス(50mm・ISO3200・F2.8・1/80s・±0)


あちらこちらと持ち出していて感じたのは、ニコンのフルサイズ機の中でも特に小柄で軽く、扱いやすいということ。FXフォーマットのフラッグシップであるD5のようなカメラが求められる場面は確かにありますが、それよりは手軽に、かつ、性能もそう落ちるわけではないというのはかなりありがたいところ。旅先で朝から晩まで写真を撮りまくるというケースだと、カメラが重いとそれだけでダメージが蓄積する上に、三脚や一脚を使わない場合、カメラの保持が大変になってきますが、そういう恐れもなくなります。

レンズは新仕様のZマウントですが、マウントアダプター FTZを使えば従来のニコンFマウントレンズも使えるので、新たなボディーとして考えるのもアリかも。Zマウントのレンズラインナップはまだ薄く、望遠ズームレンズがないので、そういった用途を考えるならむしろ必須ともいえます。

なお、ニコンダイレクトの販売価格はZ 7(ボディーのみ)が税込43万7400円Z 7 24-70 レンズキットが税込51万3000円Z 7 FTZマウントアダプターキットが税込45万9000円Z 7 24-70+FTZマウントアダプターキットが税込53万4600円

Z 6(ボディーのみ)が税込27万2700円Z 6 24-70 レンズキットが税込34万8300円Z 6 FTZマウントアダプターキットが税込29万4300円Z 6 24-70+FTZマウントアダプターキットが税込36万9900円です。

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in レビュー,   ハードウェア, Posted by logc_nt

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