「Firefox 122」正式版リリース、ウェブ開発関連の検索時にMDNのページがサジェストされるように
ウェブブラウザ「Firefox 122」の正式版が公開されました。検索時のサジェスト候補に画像と説明が表示されるようになったほか、ウェブ開発関連の検索時にウェブ開発の情報がまとめてあるMDNをサジェストするようになりました。
Firefox 122.0, See All New Features, Updates and Fixes
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/122.0/releasenotes/
◆検索候補の画像と説明が表示されるように
検索エンジンから提供されるサジェスト候補に画像と説明が付属していた場合にその画像と説明文が表示されるようになりました。
◆翻訳機能の改善
Firefoxの翻訳機能はローカルで実行されており、インターネットに文章などのデータが送信されないためプライバシーを守りつつ翻訳を行えるという特徴があります。Firefox 122では翻訳時にコンテンツの一部が消えたり、インタラクティブなウィジェットが壊れたりする問題が修正されました。
翻訳に対応したページを表示するとアドレスバーの右側に翻訳マークのボタンが出現します。このボタンをクリックすることでページを翻訳できますが、依然として日本語への翻訳はサポートされていません。
◆改行ルールがUnicode標準と一致するように変更
ウェブコンテンツの改行ルールがUnicode標準と一致し、他のブラウザとの改行の互換性が向上しました。また、日本語・中国語・ビルマ語・ラオス語・クメール語・タイ語など東アジアおよび東南アジアの言語のテキストをダブルクリックした際の単語選択の精度が向上しています。
◆開発者向けの変更点
・「offset-path」関連のさまざまな値をサポート
要素を特定の経路に沿ってアニメーションさせるCSSプロパティ「offset-path」において、アニメーションの初期位置を設定する「offset-position」プロパティをはじめ、「ray()」「basic-shape」「coord-box」「rect()」「xywh()」などがサポートされました。
・SVGのviewBox属性をアニメーション可能に
SMILを使用してSVGをアニメーションさせる際に、viewBoxを変化させることが可能になりました。
・LargestContentfulPaint APIをサポート
ユーザーがページを操作する前に表示された最大の画像やテキストの描画タイミング情報を提供するAPIであるLargestContentfulPaint APIがサポートされました。
・select内のhrをサポート
select要素内で区切り線を使用することが可能になりました。
・showPickerメソッドをサポート
JavaScriptを使用してブラウザのピッカーを開くことが可能になりました。
・不明なスキームのフォールバックURLパーサーが仕様に準拠したものへ変更される
ウェブの互換性が向上しています。
・ArrayBuffer.prototype.transferをサポート
ArrayBufferのデータの所有権を転送することができます。
・Screen Wake Lock APIをサポート
画面を明るい状態で表示したままにすることができます。
・WebAuthnの自動補完トークンを認識可能に
フォームの自動入力でパスキーを使用してログインすることが可能になっています。
・プライベートブラウジング中でもcacheAPIを使用可能に
プライベートブラウジング中のウェブ体験が通常のウェブ体験により近づいています。
・currentColorを使用するフィルターが無効化される
currentColorを「:visited」疑似クラスによって設定し、フィルターを通してcurrentColorを取得することでユーザーが特定のリンクを訪問済みかどうかを調べることが可能でした。Firefox 122以降はcurrentColorを入力に使用するフィルターの出力結果をcanvasの外から読み取ることができなくなります。
・ULPFEC(不均一レベル保護前方誤り訂正)が標準で有効化される
インターネット接続が不安定なユーザーのWebRTCを使用したビデオの品質が向上します。
◆その他の変更点
・macOSにてパスキーに対応
・ウェブ開発関連の検索をしているユーザーにMDNのページがサジェストされるように
・Ubuntu、Debian、Linux Mintユーザー向けに新たな.debパッケージが登場
また、Firefox 122には複数のセキュリティバグフィックスが含まれています。
なお、次期メジャー版となる「Firefox 123」は現地時間の2024年2月20日にリリース予定です。
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