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あまりに雑なDMCA削除申請の影響でGoogleのインデックスからNASAの「アルテミス計画」について報じるURLが削除される危機に直面


NASAが主導する有人月探査計画「アルテミス計画」には、日本人宇宙飛行士が参加することでも話題となっています。このアルテミス計画について報じたメディアが、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)を用いた削除申請により、Googleのインデックスから削除される危機に直面していることが明らかになりました。

Reckless DMCA Deindexing Pushes NASA's Artemis Towards Black Hole * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/reckless-dmca-deindexing-pushes-nasas-artemis-towards-black-hole-231226/


Google検索において、オリジナルの画像アップロード元よりも画像をコピーして利用するサードパーティーがアップロードした画像が上位に表示されることがあります。これが違法アップロードの場合、著作権者がDMCA削除通知を用いて画像を検索ページから削除することは当然の権利です。

OnlyFansやInstagramといったサービス上で活躍するモデルが増えているため、DMCAを用いた削除申請を代行する企業が増えているのですが、安価なサービスを用いると思いもよらない結果が起きるとTorrentFreakは指摘しています。


DMCA削除申請を代行する「DMCA Piracy Prevention」という企業は、OnlyFansやInstagramで「Artemis(アルテミス)」という名前で活動するモデルの権利を保護するために、GoogleにDMCA削除通知を送信しました。その結果、Googleのインデックスから「Artemis」という単語を含むコンテンツが無差別に削除されてしまい、アルテミス計画について報じたメディアのコンテンツもインデックスから削除されてしまうという事態が発生しています。

DMCA Piracy Preventionは2022年12月13日にGoogleにDMCA削除申請を送信しており、この通知で3617件のURLをGoogleのインデックスから削除することを求めました。この削除申請が通れば、インターネットユーザーの92%が使用しているGoogle検索で、該当URLが表示されなくなります。


DMCA Piracy Preventionが削除申請した3617件のURLには、モデルのArtemisさんとは明らかに無関係な「アルテミス計画について報じるURL」が多数含まれているとTorrentFreakは指摘。

DMCA Piracy Preventionが削除申請したURLの一部


DMCA Piracy PreventionによるDMCA削除申請には、BBC、Clubic、Coinmarket、AvaxGFX、Le Monde、El Pais、The Verge、The Star、The Street、La Presse、Rappler、Zeit、Globo、ORF、Astro Space、英国政府(gov.uk)、YLE、Hackaday、Golem、CP24、アイオワ大学、Mars Society、New Atlas、Global Fairsといった「モデルの写真を利用するとは考えられないようなメディアや組織」が公開しているURLも含まれています。

以下の画像はDMCA Piracy PreventionによるDMCA削除申請を受けたURLのサムネイル画像。ほとんどがアルテミス計画に関するURLです。


なお、DMCA Piracy PreventionがDMCA削除申請した3617件のURLのリストは以下のページにまとめられています。

DMCA (Copyright) Complaint to Google :: Notices :: Lumen
https://lumendatabase.org/notices/29908720?access_token=OGeWLonv5VmETW7TP5G6eA

問題のDMCA Piracy Preventionはカナダの法人で、同じ本拠地のBranditScanという企業が同様のサービスを提供しているとTorrentFreakは指摘。このBranditScanは3つの異なるアカウントでGoogleにDMCA削除申請を送信していることも確認されています。BranditScanの保有するアカウントのひとつは、53件の著作権保有者に代わり1452ドメインにまたがる3万3875件のURLの削除を要求。2つ目のアカウントは、28件の著作権保有者に代わり1328ドメインにまたがる3万781件のURLの削除を要求。3つ目のアカウントは、28件の著作権保有者に代わり662ドメインにまたがる8153件のURLの削除を要求しています。

一方、Googleの透明性レポートによるとDMCA Piracy Preventionは少なくとも60のアカウントを保有しており、それぞれのアカウントで1000~4500件のDMCA削除申請を送信していることが確認されています。TorrentFreakによると、DMCA Piracy Preventionは7179人の著作権保有者に代わり、5万8431ドメインにまたがる5160万件を超えるURLの削除を申請しているとのことです。

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in メモ, Posted by logu_ii

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