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Googleは「Google検索に対して送られたDMCA削除リクエスト」を別のGoogleサービスにも反映している


これまでGoogleは自社の検索エンジンであるGoogle検索に対する70億件を超える著作権削除リクエストを処理してきました。このほとんどは、アメリカのインターネット上に存在する著作物に対する法律であるデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく削除リクエストなのですが、最近になってGoogleは検索結果だけでなく「ユーザーが非公開で保存しているURLコレクション」からもDMCAで削除リクエストされたリンクを削除していることが明らかになっています。

Google Removes 'Pirate' URLs from Users' Privately Saved Links * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/google-removes-pirate-sites-from-users-privately-saved-links-230830/


ほとんどの人にとって、インターネット上で何かしらを検索する際に利用する検索エンジンは、Google検索です。Googleは世界で最も利用されているウェブブラウザのChromeを保有しており、このChromeではデフォルトの検索エンジンにGoogle検索が設定されています。また、iPhoneなどのAppleデバイスの標準ブラウザであるSafariでもデフォルトの検索エンジンにはGoogle検索が設定されています

Googleは「Google検索に対して送られるDMCAベースの削除リクエスト」に対処することが、法的に義務付けられています。しかし、驚くべきことに「DMCAベースの削除リクエスト」がGoogle検索だけでなく、他のGoogleサービスにも影響をおよぼしていることが明らかになっています。

これを報告したのは、ソフトウェアエンジニアのEddie Roosenmaallen氏。同氏によると、Googleのブックマーク機能である「コレクション」に保存したリンクが、「DMCAの削除リクエストを受けたリンクである」という理由で、Googleにより勝手に削除されてしまったそうです。


Googleの「コレクション」は、Googleアプリやブラウザから利用できるPinterestライクなブックマーク機能。インターネット上で見つけた画像やウェブページなど、あらゆるものを保存アイコンを押して保存し、いつでもコレクションからチェックできるようになるというもの。


Googleアプリの場合、画面上部にあるマークをタップするだけで簡単にアイテムをコレクションに追加することができます。Googleアプリではコレクション機能が他のアプリでいうブックマーク機能と同等の扱いなので、「勝手にブックマークを削除されるのはおかしい」といった反発が上がった模様。


このコレクション機能を利用していたRoosenmaallen氏は、Googleから以下のメールを受け取ったと報告しています。Googleから届いたメールの件名は「あなたのコレクションに保存されたアイテムに対するモデレーション」となっており、本文には「あなたのコレクション内に保存された以下のアイテムは、Googleのポリシーに違反していることが明らかになりました。その結果、このアイテムはモデレーションされることとなります」と記されており、どのようなモデレーションが行われるかについては「あなたと、あなたがこのコレクションを共有するすべてのユーザーから(リンクが)隠されます」と説明されています。


海外メディアのTorrentFreakは、「この問題を再現することができました。Googleは、YouTube動画を保存できる『Yout.com』や、トレントサイトの『1337x.to』、『Katcr.com』などのGoogle検索から削除されたURLを(コレクションに)『保存』することを許可していません」と指摘。

なお、Google検索におけるDMCA削除リクエストは単一のURLに対して適用されるため、例えば「thepiratebay.org」自体は記事作成時点でもGoogle検索に表示されるものの、「thepiratebay.org/search.php?q=top100:48h_201」のような削除済みのリンクはGoogle検索には表示されず、コレクションにも保存できません。

TorrentFreakはGoogleに今回の処置が著作権侵害を防止するためなのか、それともGoogleの検索ポリシーを強制するためのものなのかを問い合わせしていますが、記事作成時点では返答はなかったとのことです。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by logu_ii

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