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FacebookとInstagramでは「親パレスチナ」の投稿が組織的に削除されているとヒューマン・ライツ・ウォッチが報告


アメリカの人権NGOであるヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が2023年12月21日に、Metaが運営するFacebookとInstagramではパレスチナの支援を表明する見解が不当に検閲されているとの分析結果を発表しました。

Meta’s Broken Promises: Systemic Censorship of Palestine Content on Instagram and Facebook | HRW
https://www.hrw.org/report/2023/12/21/metas-broken-promises/systemic-censorship-palestine-content-instagram-and

Meta censors pro-Palestinian views on a global scale, report claims | Meta | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2023/dec/21/meta-facebook-instagram-pro-palestine-censorship-human-rights-watch-report

HRWは今回発表したレポートの中で、FacebookとInstagramで削除されたコンテンツや、アカウントが停止または永久BANされた事例1000件以上について検証しました。

その結果、100件以上に共通した傾向として、次の6つの「不当な検閲の主要パターン」が見つかりました。
1.投稿、ストーリー、コメントの削除
2.アカウントの停止または永久的な無効化
3.24時間~3カ月間におよぶストーリーへの「いいね!」、コメント、共有、再投稿などのコンテンツに関与する機能に対する制限
4.他のアカウントをフォローまたはタグ付けする機能の制限
5.Instagram LiveおよびFacebook Live、収益化、非フォロワーのアカウントの推奨といった特定の機能の使用制限
6.コンテンツの露出の減少や検索結果への非表示といった、いわゆる「シャドウバン

こうした指摘に対し、Metaはイギリス紙・The Guardianへの声明で「人々をいらだたせるようなミス」があることを認めた上で、「私たちが意図的かつ組織的に特定の声を抑圧しているという論調は間違いです。紛争について投稿された膨大な量のコンテンツのうちの1000件を『組織的検閲』の証拠だと主張するのは、記事の大見出しにするにはうってつけかもしれませんが、だからといってその主張の間違いが軽減されるわけではありません」と反論しました。


HRWは今回のレポート作成にあたり、イスラエルとパレスチナに関連するオンライン検閲の事例をインターネットで募集しました。そして、募集に応じて寄せられた1285件から、イスラエルもしくはパレスチナに言及していなかったもの、暴力や差別をあおるなど平和的な訴えではないもの、検証のための情報が不十分なものを除外した結果、最終的に1050件が残りました。

不当な検閲の事例として調査対象となった1050件のうち、1049件がパレスチナを支持するもので、イスラエルを支持するものは1件しかありませんでした。対象となった投稿には世界60カ国以上から発信されたコンテンツが含まれ、その大半は英語で、「パレスチナを平和的に支持する多様な表現」だったとされています。その中には、オンライン検閲の実態について情報提供を求めるHRWの投稿まで含まれていたとのことです。

HRWは報告書の中で「InstagramとFacebookにおけるパレスチナ関連コンテンツの検閲は、組織的かつ世界的なものです。このようなパレスチナに関するコンテンツの誤った削除は、Metaによる独自ポリシーの執行が一貫性を欠いていたことで起きました」と述べました。


具体的な原因として、HRWは次の4点を挙げています。
1.Metaのポリシーの欠陥。例えば、ポリシーでは「危険な組織に対する称賛や支持」が禁止されていますが、この「危険な組織」の定義はアメリカ政府が指定するテロ組織リストに依存しており、ハマスパレスチナ解放人民戦線といった武装勢力を保有する政治運動が含まれているため、これがパレスチナの主要な政治運動を支持する多くの投稿の禁止につながったとHRWは述べています。

2.ポリシーの一貫性と透明性を欠いた適用。特に、Metaのポリシーに違反していても報道的価値や公共の利益のために閲覧できるようにしている例外的コンテンツについての運用が公平ではないとのこと。


3.イスラエルのサイバー部隊や他の国のインターネット調査部隊によるコンテンツ削除要請など、政府によるコンテンツ削除要請への明らかな従順。

4.自動ツールへの過度の依存。

一方、Metaは自社がイスラエルとパレスチナに関する人権デューデリジェンス公表している世界で唯一の企業であると指摘した上で、「この報告書は、急速に進行し、非常に二極化した激しい紛争の中で当社がポリシーをグローバルに実施しているという現実を無視しており、そのことが当社について報告される事例の多さにつながっています。当社のポリシーは、すべての人に発言権を与えると同時に、当社のプラットフォームを安全に保つことを目的としています」と述べました。

Metaは、以前から親パレスチナ的な投稿を検閲していると非難されています。

InstagramとFacebookで親パレスチナ的投稿をするとシャドウバンされるとの報告が相次ぐ、Metaはバグだと主張 - GIGAZINE


The Guardianによると、Metaの製品ではイスラエル寄りのコンテンツが支持され、パレスチナ寄りのコンテンツは支持されない傾向があるとのこと。例えば、Instagramの翻訳機能は「パレスチナ」と「アラーに賛美あれ」というアラビア語のフレーズの組み合わせを英語にする際に、「パレスチナのテロリスト」と訳してしまいました。また、WhatsAppの生成AIにパレスチナの少年少女を生成するよう依頼したところ、銃を持った子どものイラストが生成されたこともありました

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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