Instagramで親パレスチナ的投稿を行っていたアカウントが突如ロックされる、Metaは「セキュリティ上の問題が原因」と報告
パレスチナのガザ地区では、イスラム原理主義組織であるハマスとイスラエルが大規模な軍事衝突を続けており、記事作成時点で7000人以上の死者が出ていることが報じられています。今回の軍事衝突では、両勢力の戦闘や被害の様子がSNSで大量に拡散されています。そんな中、Instagramで600万人以上のフォロワーを持ち、親パレスチナ的な投稿を行ってきたあるユーザーのアカウントが「セキュリティ上の理由」をもとにロックされたことが報告されています。
Pro-Palestinian Instagram account locked by Meta for ‘security reasons’ | Instagram | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2023/oct/26/pro-palestinian-instagram-account-locked-by-meta-for-security-reasons
Meta says it locked pro-Palestinian accounts after signs of security compromise
https://www.nbcnews.com/tech/social-media/meta-says-locked-palestinian-accounts-signs-security-compromise-rcna122231
Instagram上で600万人以上のフォロワーを持つアカウント「@eye.on.palestine」はこれまで、ガザ地区での戦闘の様子や、戦闘に伴う負傷者の動画や画像を投稿していました。「@eye.on.palestine」が投稿する動画や画像は、ガザ地区に住むパレスチナ人の視点からのものであることから、一般のユーザーやジャーナリストにとって貴重なコンテンツとなっていました。
しかし、2023年10月25日頃から「@eye.on.palestine」の投稿を確認しようとすると、「このページはご利用いただけません。リンクに問題があるか、ページが削除された可能性があります」とのメッセージが表示されるようになりました。同様に、「@eye.on.palestine」のバックアップ用サブアカウントである「@eye.on.palestine2」も利用できなくなっていることが報告されています。
この影響はInstagramだけにとどまらず、「@eye.on.palestine」に関連するFacebookアカウントやThreadのアカウントも閲覧不可能になりました。また、X(旧Twitter)では「@eye.on.palestine」のアカウントが削除されています。
Metaの広報担当者であるアンディ・ストーン氏は「@eye.on.palestine」関連のアカウントを停止したことについて「これらのアカウントには、セキュリティが侵害されている兆候が見られたため、セキュリティ上の理由からこれらのアカウントをロックしました。現在、Metaはアカウントの所有者と連絡を取り、ロックを解除するよう手続きを進めています」と述べ、投稿したコンテンツが問題でアカウントがロックされているわけではないことを強調しました。
I just received this statement from META on the situation with the Eye on Palestine account:
— Yashar Ali ???? (@yashar) October 25, 2023
“These accounts were initially locked for security reasons after signs of compromise, and we’re working to make contact with the account owners to ensure they have access. We did not… https://t.co/JLe13S0Nqy
一方でMetaでは、アラビア語圏で用いられる慣用表現の「ٱلْحَمْدُ لِلَّٰهِ」を含んだInstagramユーザーのプロフィールを「テロリスト」と誤訳したことが報告されています。後にMetaはこの問題について「不具合による翻訳エラーで、ただちに修正しました」との謝意を表しています。しかし、一部のユーザーからは「パレスチナ人のコンテンツを検閲してきた結果だ」と指摘されています。
Instagramが一部のパレスチナ人ユーザーのプロフィールを「テロリスト」と誤訳した問題を謝罪 - GIGAZINE
さらにInstagramやFacebookでは、親パレスチナ的な投稿を行うと、特定のコンテンツが検索しても見つからなくなる、フィードなどに表示されなくなるなどの処置である「シャドウバン」が行われているとの指摘も残されています。この件に関してもMetaは「投稿の内容とは無関係なバグが原因ですでに修正済み」と報告しており、あくまで親パレスチナ的投稿に関する検閲を行っていない立場を明らかにしています。
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