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X(Twitter)で「パレスチナ・イスラエル戦争」の偽情報が氾濫しまくり、無関係の動画やゲームの映像まで拡散


パレスチナのガザ地区を支配するイスラム原理主義組織・ハマスが2023年10月7日に行ったイスラエルへの大規模攻撃により、少なくとも900人が死亡し2400人がけがをしました。一方で、イスラエル側も苛烈な報復を行い、大規模な武力衝突が発生。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は「戦争状態に入った」と宣言しています。これに伴い、XをはじめとするSNSでは戦闘やその犠牲者の模様を伝える生々しい映像や画像が出回っていますが、その中に虚偽の投稿が大量に混じっていることが報じられました。問題の投稿の多くはコミュニティノート機能により訂正を受けていますが、偽情報の拡散に歯止めがかからない状況が続いています。

なお、この記事には一部過激な動画や画像が掲載されているため、閲覧の際には注意してください。

Elon Musk's X adds to fog of war at outset of Israel-Hamas conflict | CNN Business
https://edition.cnn.com/2023/10/09/tech/musk-x-misinformation-israel-hamas-conflict/index.html

X criticised for enabling spread of Israel-Hamas disinformation | X (formerly known as Twitter) | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2023/oct/09/x-twitter-elon-musk-disinformation-israel-hamas

海外メディアのCNNは2023年10月9日、「ハマス過激派によるイスラエルへの奇襲攻撃から48時間後、イーロン・マスク氏のソーシャルメディアプラットフォームのXでは誤った情報がまん延しており、ユーザーは紛争に関する虚偽や誤解を招く主張を共有し、マスク氏自身も誤情報を広めることで知られるアカウントをユーザーに紹介しています」と報じました。

虚偽とされている投稿のひとつが以下。ガザ地区でハマスの戦闘員がイスラエルのヘリコプターを撃墜するシーンだとされていますが、コミュニティノートでは2013年にリリースされた「ARMA 3」というゲームの映像であると指摘されています。


ゲームの映像を本物と誤認している投稿は他にもあります。



以下では、男が「アッラーフ・アクバル」と叫びながら犠牲者を処刑している様子がぼかし付きの動画として投稿されていますが、これは2016年にシリアで撮影されたものだとのこと。


「イスラエル人が『パレスチナ自由戦士が子どもを殺した』というフェイク映像を作っている様子」とされる以下の動画は、実際にはNetflixの「ファウダ -報復の連鎖-」という作品を撮影している場面のもので、スタッフらが話している言葉もアラビア語であることが指摘されています。なお、イスラエルでは8割の人がヘブライ語を、2割の人がアラビア語を話しており、いずれもイスラエルの公用語とのこと。


以下は、イスラエルが国際的に禁止されている白リン弾を使用していることを示す写真とされていますが、コミュニティーノートにはいずれも今回の紛争とは無関係な過去の画像だと書かれています。


ガザ地区の火災の模様とされる映像は、アルジェリアのサッカークラブ・CRベルイーズダッドの優勝を祝っている際のもので、やはり今回の紛争とは無関係とのこと。


ビルが倒壊する以下の映像は確かにガザ地区のものとのことですが、2021年5月に撮影された古い映像です。


また、パレスチナの武装勢力がイスラエルにパラシュートで降下しているという映像が「Real PUBG」として出回っていますが、これらはエジプトの軍事演習の動画としてTikTokに投稿された動画です。



以下の動画には、子どもが檻(おり)の中に入れられている様子が収められています。この投稿では「誘拐されたイスラエルの子ども」と書かれていますが、別の投稿では少なくとも紛争が始まる前のものだと指摘されているほか、2015年のシリアで撮影された映像だとする投稿もあります。


「イスラエルはガザ地区で『完全封鎖』を行おうとしています。ガザにも罪のない人々が住んでいることを忘れてはいけないと思います」と訴えるポストには、空爆の様子と思われる映像が添付されていますが、これはガザ地区からロケット弾が4000発飛来したとイスラエル軍が報告した2021年の映像です。


こうした偽情報による混乱に拍車をかけているのが、マスク氏の発言です。海外メディアのThe Guardianによると、マスク氏は2023年10月8日に「戦争をリアルタイムで追跡するには、@WarMonitors@sentdefenderが最適です」と述べて2つのアカウントを紹介したとのこと。ところが、この2つのアカウントは2023年5月にアメリカ国防総省の庁舎が爆発したという偽情報を拡散するなど、たびたび誤解を招く情報を投稿しているアカウントでした。

その後、マスク氏は問題の投稿を削除し、ガザ地区の戦闘員を「殉教者」と表現した@WarMonitorsの投稿に「『殉教者』は客観的で正確な言葉ではありませんし、また『殺害された』わけでもありません」と反論しました。


アメリカのシンクタンク・Atlantic Councilの研究員であるエマーソン・ブルッキング氏はCNNに対し、「有料の検証バッジは、審査を受けたジャーナリストと詐欺師の区別がつかなくなることを意味しています」と述べて、Xの収益化プログラムが扇動や詐欺のインセンティブになっているとの見解を示しました。

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in ネットサービス,   動画, Posted by log1l_ks

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