Googleが組織的に証拠を隠滅したとして判事が新たな捜査の実施を明言
Epic GamesがGoogleを独占禁止法違反で訴えている裁判で、ジェームス・ドナート判事がGoogleによる証拠の組織的隠蔽を強く非難しました。また、ドナート判事は「この件については今回の裁判とは無関係に、私自身で、誰に責任があるのか真相を追究するつもりです」と新たな捜査の実施について言及しています。
Federal Judge Orders Epic v. Google Settlement Talks, Plans New Google Investigation - Thurrott.com
https://www.thurrott.com/google/293929/federal-judge-orders-epic-v-google-settlement-talks-plans-new-google-investigation
Federal judge vows to investigate Google for intentionally destroying chats - The Verge
https://www.theverge.com/2023/12/1/23984902/judge-james-donato-investigate-google
Google to face investigation over deleted chat history
https://www.androidheadlines.com/2023/12/google-to-face-investigation-over-deleted-chat-history.html
ドナート判事が指摘したのは、Googleが従業員同士のチャットメッセージを「自動削除」のままにしていたことです。スンダー・ピチャイCEOはこの設定について問われた際、「自動削除設定をオフにしてメッセージを保存することはしなかった」と、証拠保全ができていなかったことを認めています。
この件についてピチャイCEOが頼りにしたというAlphabetの首席法務責任者であるケント・ウォーカー氏は、従業員らがメッセージを保存しようとしているかどうかを監査したことは一度もないと証言しました。
ドナート判事は、このGoogleによる証拠隠滅行為を「アメリカの司法官として非常に憂慮すべき事です。この10年間でも特に深刻な、憂慮すべき事態です。当事者は、関連する証拠を意図的に隠蔽しました。この行為は、公正な司法運営に対する正面攻撃です。適正な手続きを無視しています。法的紛争の解決に疑問を投げかけるもので、我々のシステムとは正反対のものです」と強く非難しました。
ただし、「Googleが訴訟で不利になる可能性のある証拠を隠蔽した」ように陪審に伝える「強制推論指示」は出さないことを決定しました。この決定についてドナート判事は「陪審自らが推論すべきかどうか判断するのが最善です。私は、陪審に代わって推論を行うことで、陪審の裁量を制限するつもりはありません」と述べています。
一方で、「今後の裁判で、私自身がこの問題を独自に追及します。徹底的に責任の所在を解明します」と、追及の手を緩めないことも明らかにしました。
Googleはこの件についてのコメントを断ったとのことです。
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