Amazonが配送大手のUPSとFedExを抜いてアメリカ最大の配送業者に
インターネット通販大手のAmazonは、商品の販売だけでなく、購入された商品をユーザーに届ける配送サービスも行っています。そんなAmazonが、荷物の配送数で配送業大手のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)やFedExを抜き、アメリカ最大の配送業者になったことが明らかとなりました。
Amazon Tops UPS and FedEx to Become Biggest U.S. Delivery Business - WSJ
https://www.wsj.com/business/amazon-vans-outnumber-ups-fedex-750f3c04
UPS and FedEx are no longer the top delivery companies in the US
https://nypost.com/2023/11/27/business/ups-and-fedex-are-no-longer-the-top-delivery-companies-in-the-us/
The Biggest Delivery Business in the U.S. Is No Longer UPS or FedEx
https://www.foxbusiness.com/markets/biggest-delivery-business-u-s-no-longer-ups-fedex
2023年11月23日までにAmazonはアメリカ国内だけで48億個もの荷物を配送し、通年では約59億個に到達するとみられています。一方でUPSは「今年のアメリカ国内での配送取扱い個数は、2022年の53億個を上回る可能性が低い」という見解を示しています。また、FedExは2022年度の配送数が約30億5000万個にとどまっており、Amazonがアメリカ国内の配送業においてトップシェアを獲得していることが明らかとなりました。
しかし、2016年の時点では、Amazonが配送業の最大手になることについて想定されておらず、当時FedExのCEOだったフレッド・スミス氏は「AmazonがFedExにとって脅威になることは空想に過ぎません」と一蹴。また「近い将来、インターネット通販の配送業最大手になるのは、おそらくUPSかFedEx、アメリカ合衆国郵便公社(USPS)でしょう」との見解を示していました。
それでもAmazonは2018年に、Amazonで購入された荷物を配送するフランチャイズをわずか1万ドル(約150万円)で始められるプログラムを立ち上げ、地方での配送を地元の請負業者に委託しています。このプログラムにはアメリカの配達員が約20万人登録しているとされ、Amazonは「このプログラムは1日の配送個数の急増に大いに貢献しました」と述べています。
さらにAmazonは新型コロナウイルス感染症の流行に合わせてインターネット通販網を大きく拡大し、自社倉庫や仕分け施設などの物流施設を増設したとのこと。その結果、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行初期から2021年後半までに、物流施設の規模がほぼ2倍に拡大したことが報告されています。さらにAmazonは配送時間短縮と収益性の向上に向けて、地域単位での物流網の構築や、荷物の移動距離削減を図っているとされています。ブライアン・オルサフスキーCFOは「このような配送スピードの改善は、Amazonがさらなる成長を遂げる重要な要因で、プライム会員による購入頻度の増加につながります」と述べています。
Amazonがアメリカ国内において配送業の最大手になったことについて、Amazonの広報担当者は「近年での宅配の改善は、Amazonが取り組むフランチャイズプログラムによるところが大きく、引き続きさまざまな配送パートナーや輸送業者と配送能力の拡大に取り組んでいく予定です」と述べています。
UPSの広報担当者は「私たちはAmazonと荷物の配送量で競っているのではなく、医療分野や中小企業など、収益性の高い『最も価値を得られる顧客』への配送に注力しています」と語っています。また、FedExはAmazon以外のネット通販市場に重点を置いており、2023年には小口配送市場の複数の分野でシェアをさらに拡大したとしています。
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