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Apple Vision Pro対応の「空間ビデオ」がiOS 17.2パブリックベータ版で撮影可能に、実機で視聴するとどんな感じなのか?


Appleが2024年に発売を予定しているMRヘッドセット「Vision Pro」では、「空間ビデオ」というMR空間での3D立体映像再生が可能になります。この空間ビデオはiPhone 15 Pro/Pro Maxで撮影できることが告知されており、2023年11月11日にリリースされたiOS 17.2のパブリックベータ2で空間ビデオの撮影が可能となりました。実際にiPhone 15 Proで撮影した空間ビデオをVision Proで体験した様子を、IT系ニュースサイト・TechRaderの編集者であるランス・ウラノフ氏が報告しています。

I tried the iPhone 15 Pro's new spatial video feature, and it will be the Vision Pro's killer app | TechRadar
https://www.techradar.com/computing/virtual-reality-augmented-reality/i-tried-the-iphone-15s-new-spatial-video-feature-and-it-will-be-the-vision-pros-killer-app

techthings.cmail19.com/t/d-e-vhlukdk-irijhkzjj-r/
https://techthings.cmail19.com/t/d-e-vhlukdk-irijhkzjj-r/

Apple's Vision Pro headset just found its killer app | Laptop Mag
https://www.laptopmag.com/gaming/vr/apples-vision-pro-headset-just-found-its-killer-app

iPhone 15 Pro/Pro Maxでは、メインの広角カメラと超広角カメラが縦1列に並びました。これは、iPhone 15 Pro/Pro Maxを横向きに構えることで、メインカメラと超広角カメラの2つでApple Vision Proに対応した空間ビデオの撮影を可能にするためです。


2つのカメラで同時に撮影することで、立体視差を再現した空間ビデオを撮影できるのは当然のように思えますが、そんなに単純なことではないとウラノフ氏。メインカメラと超広角カメラで画角が異なるため、超広角カメラの映像をメインカメラのフレームに合わせてトリミングし、スケーリングする必要があります。

ウラノフ氏によれば、空間ビデオは1080p・30fps・HEVCコーデックで撮影されており、ファイルサイズは約1分間で130MBになるそうです。空間ビデオは新しいメディアフォーマットではありますが、iPhoneやMac上で再生すると2D映像として表示されます。しかし、2つのカメラの映像同期を崩さないようにするため、他のムービーのように編集することができないそうです。なお、Appleが技術的にどうやって2つのカメラの映像から空間ビデオを作成しているのかは不明だとのこと。


一部メディアや関係者が招待されたデモでは、iOS 17の開発者ベータ版がインストールされているiPhone 15 Proで、カメラの設定でApple Vision Proの空間ビデオを有効にした上で、「寿司屋の大将が寿司を握るところ」を撮影することができたそうです。

空間ビデオの撮影時にはiPhone本体を横向きに構えるように指示され、さらに被写体が巨人のように大きく撮影されないようにするために、被写体から1.5m~2.5mの距離を保つ必要があったとのこと。また、水準器や分割線などのオプションがデフォルトでオンになっていたそうです。これは撮影中のiPhoneが水平でなくなると、撮影した空間ビデオが見ていて不快感を引き起こす可能性があるからだとウラノフ氏は説明しています。

撮影した映像を実際にVision Proで確認するには、Vision Proの写真アプリ内にある「Spatial(空間的)」と呼ばれる新しいメディアカテゴリからチェックする必要があるとのこと。ウラノフ氏によれば、Vision Proのデバイスが登録されたApple IDであれば、自動的に空間ビデオの撮影が有効化されるそうです。


ウラノフ氏はまず、AppleがiPhone 15 Proで撮影したという2本のムービーを見たとのこと。いずれもウィンドウあるいはフルスクリーンで表示でき、フルスクリーンの場合は目の前にその光景が広がっているように見えたそうです。特に、子どもがシャボン玉を吹くムービーでは、本当にシャボン玉が自分の顔のすぐ近くに浮かんでいるように見えたとウラノフ氏は証言しています。


そして、ウラノフ氏は自分で撮影したムービーも現実と同様の深度が感じられ、実際に肉眼で見た時と同じように見えたと述べています。ただし、「立ち上がって空間ビデオに近づいて、足を踏み入れて動き回る」ほどに没入感が高いわけでなく、あくまでも立体感が強調された映像だったとのこと。音響については、立体的なサウンドを再現するような空間音響ではなかったものの、一般的なムービー撮影と同程度にはクリアな音質で録音されていたそうです。


加えて、ウラノフ氏は「Vison Proは『選択したい領域を指でつまむだけ』で操作が非常に簡単であり、発表時に体験した時を含めて2回目だったにもかかわらず、すぐに操作に慣れたと述べています。

ウラノフ氏は、Vision Proによる空間ビデオの視聴体験を高く評価していますが、「当然のことながら、最も大きな障害要因は価格です」と述べ、単品のVR/ARデバイスとしてはかなり高額な3499ドル(約53万円)という価格設定により、空間ビデオを体験できるのはごく少数だけだろうと述べています。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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