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AppleがなぜVision ProではUSB-C版第2世代AirPods Proが必要なのかを解説、さらに適応型オーディオではGPSの使用を検討していたことも判明


2022年9月に登場したAppleのノイズキャンセリング機能付きワイヤレスイヤホン「AirPods Pro(第2世代)」は、2023年9月にUSB-Cコネクタ搭載のケースに置き換わったバージョンが発売されました。このUSB-C版第2世代AidPods Proだけが、2024年に登場予定のAR/VRヘッドセット「Apple Vision Pro」に対応していることについて、Appleの幹部がIT系ニュースサイトのTechCrunchによるインタビューで語っています。

Apple executives break down AirPods’ new features | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/09/25/apple-executives-break-down-airpods-new-features/


USB-C版第2世代AirPods Proは、Lightning版と比べて防塵性能と耐汗耐水性能がIP54に強化されました。また、Apple Vision Proでのロスレスオーディオが導入されるのも大きな特徴。この「防塵性能と耐汗耐水性能の強化」と「Apple Vision Proでのロスレスオーディオに対応」は、USB-C版第2世代AirPods Proのみの機能となっています。

Appleは2023年9月に発表したリリースの中で、「最新のAirPods ProとApple Vision Proに搭載されたH2チップと、画期的なワイヤレスオーディオプロトコルを組み合わせ、オーディオのレイテンシを大幅に削減したパワフルな20ビット、48kHzのロスレスオーディオを可能にします」と述べています。

Apple、AirPods Pro(第2世代)をUSB-C充電にアップグレード - Apple (日本)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/09/apple-upgrades-airpods-pro-2nd-generation-with-usb-c-charging/


Apple Vision Proでのロスレスオーディオ対応について、Appleのセンシングおよび接続担当ヴァイスプレジデントであるロン・ファン氏は、AirPods用にオーディオプロトコルを5GHz帯の周波数を利用した新しいものに再設計したことを明らかにしました。

ファン氏は「Bluetoothは通常2.4GHz帯で通信を行い、その通信帯は非常にノイズが多くなります。Wi-Fiルーターが2.4GHzと5GHzの2つの通信帯に対応しているのはこのためです。本当に低いレイテンシのオーディオ体験を、そして本当に忠実でロスレスなオーディオ体験は、Vision ProとAirPods Proの間の接続に左右されます。5Ghzの組み合わせであればそれに近い体験が実現できます。私たちは基本的に、AirPodsのために5GHzで全く新しいオーディオ・プロトコルを再設計することができました」と語っています。ただし、この新しいオーディオ・プロトコルがどういうものなのかについては、ファン氏は明らかにしていません。


また、Lightning版も含めた第2世代AirPodsは、iOS 17のリリースに合わせたファームウェアのアップデートによって「適応型オーディオ」「パーソナライズされた音量」「会話感知」という3つの機能が追加されました。

適応型オーディオは、外部音取り込みとアクティブノイズキャンセリングを動的に組み合わせて周囲の環境に応じて音響調整を自動で行う機能。パーソナライズされた音量は、適応型オーディオを長期にわたって学習することで、ユーザー個人に適した設定に調整する機能です。そして、会話感知はすぐ近くにいる人と会話する際に、音楽の音量を下げつつ目の前にいる人の声を自動で大きくする機能です。


Appleのプロダクトマーケティングディレクターであるエリック・トレスキ氏によれば、この適応型オーディオは毎秒4万8000回のモニタリングによってノイズキャンセリング処理を行っており、さらにAirPods Proに内蔵されたマイクで耳の中の音量も測定し、実際に体感している音量を正確に把握しているそうです。

そして、ファン氏は適応型オーディオで騒音レベルを決定するシステムを開発する際、デバイスのGPSを利用する方法も検討したことを明かしました。ファン氏によれば、Appleは接続しているiPhoneのGPSから位置情報を正確に把握した上で、ユーザーが家にいるのか、屋外にいるのかを判断する機能をテストしていたとのこと。


しかし、「テストを重ねた結果、それが正しい方法であるという結論にならず、実装されませんでした。もちろん家がいつも静かであるとは限りませんし、屋外がいつも騒がしいとは限りません。iPhoneの位置情報をヒントにするのではなく、AirPodsがリアルタイムで環境をチェックするという方法に舵を切りました」とファン氏は語っています。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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