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AppleがArmと2040年以降まで提携を続けることが判明、7兆6700億円規模の大型IPO案件の申請書類で


2023年9月5日、Armが新規株式公開(IPO)の手続きのために規制当局に提出した資料により、同社とAppleがチップ技術に関する提携関係を2040年以降まで延長する契約を結んでいたことがわかりました。

Apple inks new long-term deal with Arm for chip technology, according to filing | Reuters
https://www.reuters.com/technology/apple-inks-new-long-term-deal-with-arm-chip-technology-filing-2023-09-05/

Apple & ARM's chip partnership will continue for decades
https://appleinsider.com/articles/23/09/05/apple-arms-iphone-mac-chip-partnership-will-continue-for-decades

Armを傘下に収めるソフトバンクグループは5日、Armの米国預託株式(ADS)9550万株を1株当たり47〜51ドル(約6936円~約7527円)で上場する予定であると発表しました。


Armの時価総額は520億ドル(約7兆6700億円)以上になるとみられており、これまでのところ2023年のアメリカ市場で最大の上場案件になる見通しです。

さらに、今回の申請のためにArmが規制当局に提出した資料により、同社とArmが2040年以降まで続くチップ技術関連の新しい契約を締結したことが判明しました。


Armは提出資料の中で「我々はAppleと2040年を超えて延長される新たな長期契約を締結することで、Appleとの長年の協力関係を継続し、Appleに引き続きArmアーキテクチャへのアクセスを提供します」と述べました。

契約の条件や合意内容などの詳細は記事作成時点では不明です。両社の新契約は、8月21日に公開されたIPO申請書類には記載されていないことから、ロイターは「この契約が8月21日から9月5日までの間に署名されたことが示唆されています」と指摘しました。

イギリス・ケンブリッジに本拠を構えるArmとAppleの関係は古く、AppleがArmの設立パートナーとなった1990年にさかのぼります。Arm設立後の1993年、AppleはArmが開発したチップを心臓部に搭載した携帯情報端末(PDA)である「Apple Newton」をリリースしました。Newton自体は商業的な成功を収めませんでしたが、Armの低消費電力チップは後にAppleが携帯電話市場で優位に立つ上で重要な武器となりました。

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by Grant Hutchinson

その後、Armは世界中のほとんどのスマートフォンのコンピューティングアーキテクチャに関する知的財産を所有する企業に成長し、Appleをはじめとする多くの企業にライセンスを提供するようになりました。Appleの主力製品であるiPhoneやiPad、Macの独自カスタムチップの設計にもArmのテクノロジーが用いられています。

ロイターによる取材に対し、Armは提出書類以上のコメントを拒否し、Appleも記事作成時点のところコメントの要請に応じていないとのことです。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by log1l_ks

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