ソファで寝落ちした後でベッドに入ると目が覚めてしまうのはなぜ?
ソファでテレビを見ていたらうとうとしてしまい、ベッドに潜り込んで夢の続きを見ようとしたらもう目がさえているという経験がある人は多いはず。ソファでは眠れたのに、ベッドで寝直せない現象が発生してしまう原因を専門家が解説しました。
Why do I fall asleep on the sofa but am wide awake when I get to bed?
https://theconversation.com/why-do-i-fall-asleep-on-the-sofa-but-am-wide-awake-when-i-get-to-bed-208371
オーストラリア・セントラルクイーンズランド大学のマデリン・スプレイサー氏とサリー・ファーガソン氏によると、ソファで眠ってしまう理由のひとつは「睡眠圧」、つまり睡眠に対する生物学的な欲求の強さが関係しているとのこと。
睡眠圧は起きている時間が長ければ長いほど強くなるので、長い1日の終わりには睡眠圧が最高潮に達しています。そこに、日が落ちたら眠るように体に指示する体内時計や概日リズムのはたらき、居心地のいいソファや薄暗い部屋の照明といった条件が合わさると、人が眠りに就くのに最適な環境が整います。
しかし、家族の「もう寝たら?」という一言で目が覚めた後は話が別です。5分程度うとうとしただけならともかく、1時間も眠ってから目が覚めると、睡眠圧はかなり低下してしまっているため、その後でベッドに入ってもなかなか寝付けなくなってしまいます。
目が覚めるタイミング次第では、睡眠サイクルも不利に働きます。ほとんどの場合睡眠サイクルは約90分単位で、人はこのサイクルで浅い眠りから深い眠りに移行し、そして再び浅い眠りになるのを繰り返します。もし、眠りが深いときに中断されたのであればもう一度眠るのは容易ですが、浅い眠りの時に目が覚めてしまうとなかなか寝付けません。
また、ソファから起き上がる動作や、本格的に寝る準備をしようと部屋の電気を付けたり歯を磨いたりする行為も、覚醒感を強めてベッドに入った後の眠りを妨げる要因となります。
さらに、目がさえている状態でベッドに向かうと、きちんと眠れるかどうかやすぐに寝付けるかが心配になりますが、これもストレスや不安感につながり、ますます快適な入眠が遠のいてしまうとのことです。
この問題を回避する最適な方法は、そもそもソファで眠らないようにすることです。
しかし、それがわかっていてもうっかりソファで寝てしまった後でベッドに向かう際のアドバイスとして、スプレイサー氏らは以下の点を挙げました。
・部屋を暗く、静かにして、快適な環境を整えること。夏ならエアコンや扇風機をつけて涼しくし、冬なら暖房を入れたり湯たんぽやカイロを使ったりして暖かい環境を作ってから布団に入ると効果的です。
・テレビをつけたままだと寝やすい人は、寝室にホワイトノイズを流して、睡眠の邪魔をする音が耳に入らないようにする。
・ベッドに入ったらスマートフォンを見ない。情報が刺激となって眠りを妨げることがあるほか、画面から発生するブルーライトも健やかな眠りの天敵となります。
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by «davemc»
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