なかなか寝付けない夜に眠りにつくための6つのヒント
質の高い睡眠は体の修復を促進してメンタルヘルスを向上させるだけでなく、心臓病や糖尿病を含む多くの疾患のリスク低下にもつながります。しかし、ストレスなどさまざまな要因で眠れない夜を過ごすこともあるはず。フリンダース大学医学部のアレクサンダー・スウィートマン氏が、ベッドで寝付けない時間を減らす6つの方法を紹介しています。
How do I stop my mind racing and get some sleep?
https://theconversation.com/how-do-i-stop-my-mind-racing-and-get-some-sleep-207904
◆1:ベッドと睡眠を関連付ける
スウィートマン氏は「ベッドに入る」ことと「睡眠」を結び付けるために、以下のステップを実践することを推奨しています。
・ベッドは睡眠時にのみ使用し、その他の活動はベッドの外、または寝室以外の部屋で行う。
・眠気を感じている場合にのみベッドに入り、眠くない場合は別の部屋でリラックスして過ごす。
・15分経過しても眠れない場合は別の部屋で本を読んだり、ラジオを聴いたりして過ごして眠気を感じるまでリラックスする。その際に仕事やゲームなど、刺激が強すぎるものは避けるべき。
・これらのステップを約15分以内に眠くなるまで繰り返すことで、体が自然に睡眠を欲するようになり、最終的にはベッドに入ってから15分以内に眠りにつけるようになる。
・注意点として、前日の睡眠時間に関係なく、毎朝同じ時間にベッドを出ること。
・夜間に眠れなくなるため、日中の長時間の昼寝は避ける。
◆2:ポジティブな考えで気を紛らわす
ベッドの中でネガティブなことを考えたり、眠れなかった場合の結果を心配したりすると、かえって眠れなくなってしまいます。そこでスウィートマン氏はネガティブな考えから気をそらすために、良い思い出や好きな映画、テレビ番組を頭の中で再生する「認知的再集中」を行うことを推奨しています。
スウィートマン氏によると、再生する記憶はハッキリと思い出せる少しポジティブな感情を引き起こす記憶が理想的とのこと。過度に肯定的または否定的な記憶はかえって寝付きの悪さにつながるおそれがあるとされています。
◆3:リラックスして眠りにつく
眠れないときのリラックスは、脳の覚醒度を下げ、睡眠を改善することが可能です。適切なリラックスの方法としてスウィートマン氏は全身の筋肉に力を入れたり抜いたりする方法を紹介しています。
また、自分に合った呼吸法や心地良い音楽などを試すことも推奨されます。一方で、夜遅くまで仕事をしたり、寝る直前にディスプレイの光を浴びたりすることはリラックスを妨げるため、避けるべきとのこと。スウィートマン氏は「ベッドに入る前にリラックスできる時間を確保するために、『空白の時間』を設けましょう」と述べています。
◆4:「心配事タイム」を設ける
夜中に心配事で目が覚めてしまわないように、日中に「心配事タイム」と呼ばれる、心配事を解決する時間を取ることや、心配事を書き出すことが推奨されています。また、夜間に心配事が発生した場合は、その心配事を書きとめておいて、翌日の日中に解決することが重要です。
◆5:夜中に目が覚めるのは普通のことだと理解する
睡眠中に目が覚めてしまうのは、不健康の兆候ではなく、健康的な睡眠のサイクルの一環です。睡眠にはレム睡眠やノンレム睡眠など、さまざまな段階が含まれています。そのため、夜中に目が覚めてしまったとしても、それは正常なことで、睡眠障害などの兆候だと重く考える必要はありません。
◆6:それでも眠れない場合
これらの方法を試してみても眠れない場合、(PDFファイル)CBT-iと呼ばれる不眠症のための認知行動療法を行うことが推奨されます。
CBT-iは、不眠症の根本的な原因を解消することを目的としており、睡眠やメンタルヘルスなどの長期的な改善につながるとされています。CBT-iへの参加は専門の病院で診断を受けるほか、オンラインプログラムにアクセスすることも可能です。
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