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眠りや夢は私たちの意識と一体どんな関係があるのか?


人間を含む多くの生き物は無限に活動を続けることはできず、定期的に体の動きを止めて意識を一時的に喪失する「睡眠」と呼ばれる状態に移行します。肉体的にも健康的にも眠ることは非常に重要で、人生のおよそ3分の1を眠りに費やすといわれることも。そんな眠りと夢について、The New Yorkerがさまざまな意見やコラムを書籍と共に紹介しています。

Why We Sleep, and Why We Often Can’t | The New Yorker
https://www.newyorker.com/magazine/2018/12/10/why-we-sleep-and-why-we-often-cant


睡眠には大きく分けて、体が眠っていても脳が覚醒している「レム睡眠」と、体も脳も眠りについている「ノンレム睡眠」の2種類が存在します。長い間、夢は睡眠の単なる副産物だと考えられていました。しかし、ここ数十年で脳の研究が一気に進んだことにより、レム睡眠が人間の精神的健康にとって極めて重要な役割を果たし、夢がレム睡眠の質を大きく左右することがわかっています。


しかし、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、アメリカではおよそ4000万人が慢性的な不眠症に悩まされているそうで、不眠症の慢性化を促進する要因にコーヒーやFacebookなどが指摘されています。神経科学者のMatthew Walker氏は自著「Why We Sleep(なぜ私たちは眠るのか)」の中で、不眠症を「ふたを閉じた後でも動作し続けるノートPC」に例えています。また、睡眠障害と不安障害には密接な関係性があると報告されています。

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Arianna Huffington氏は何ヶ月もの慢性的な疲労と寝不足により、精神状態が悪化したため、「睡眠と距離を置いた関係」を修復しようと考えました。そこで、毎日遅くまで会社に残ることなく退勤し、塩を入れた風呂に入り、ラベンダーティーやカモミールティーを飲むという習慣を始めたそうです。


さらに就寝直前に「自分が感謝していること」のリストを書き出すことで、「夜の閉ざされた情景が確実に祝福された」とHuffington氏。Huffington氏は自著「The Sleep Revolution(睡眠革命)」の中で「経済の悪循環は睡眠不足の悪循環にもつながっています。自分の状況が厳しくなればなるほど、睡眠は必要不可欠なものとなります」と述べています。

イギリスの作家で長年不眠症を患ってきたMarina Benjamin氏は、自身の不眠症体験を自著「Insomnia(不眠症)」の中につづっています。Benjamin氏が夜になかなか眠りにつけない時、頭の中にある未知の部分をスキャンし、精神的なファイルの保管場所から切り離された「精神活動の断片」を探し出す作業に移るとのこと。


また、水や山、あるいはふわふわの羊をイメージして、自分は重いと自分に言い聞かせるようにして眠りに落ちようと努めることもあるとBenjamin氏。眠ろうと意識すると逆に目がさえてしまうことがありますが、Benjamin氏の場合は「起きていることを試みることによって眠りにつく」ことが睡眠の追求につながるそうです。

Alice Robb氏は自著「Why We Dream(なぜ私たちは夢を見るのか)」で、「睡眠は意識と切り離されたものだ」という考え方に対して異を唱えていて、「睡眠とは目覚めのオン・オフではなく、冒険と知恵に富んだ別の領域にある第2の意識です」と主張しています。さらにRobb氏は「私たちは眠っている時間の20~25%、人生の中の5~6年半を夢の世界で過ごしている」と指摘しています。

また、Robb氏は「明晰夢」を見ることで、夢の先見性と問題解決能力を利用できると主張しています。実際に、ベンゼン環や元素周期表、ミシン、ヴァイオリンソナタ、ビートルズの「Let It Be」など、夢の中から着想を得て発明・発見・創作に至ったエピソードは現代にも多く語り継がれています。


Robb氏によると、明晰夢を見るためには、まず自分が眠っているのか起きているかを意識的に確認するくせをつけることが重要だとのこと。「自問自答は寝ている時にも行い、睡眠中に『自分は起きていますか?』と自分に問いかけて『いいえ』と答えを得られた場合、理論的には明晰夢が始まるはずです」とRobb氏は述べていました。

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in メモ, Posted by log1i_yk