MicrosoftによるActivision Blizzard買収を阻止するための連邦取引委員会の最後の試みが却下される、ついに買収成立が間近に

MicrosoftによるActivision Blizzardの買収を阻止するために、アメリカの連邦取引委員会(FTC)はMicrosoftを提訴していましたが、この訴訟は最終的に却下されました。この判決を不服としてFTCは控訴していたのですが、これも却下され、MicrosoftによるActivision Blizzardの買収成立にまた一歩近づくこととなっています。

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https://www.theverge.com/2023/7/14/23794707/microsoft-activision-blizzard-ftc-acquisition-appeal-loses

2022年1月、Microsoftは大手ゲームメーカー・Activision Blizzardの買収を発表しました。Microsoftは独自のゲームブランドであるXboxを運営しているため、同社によるActivision Blizzardの買収は「独占につながる可能性がある」として、複数の規制機関がこの買収に待ったをかけました。アメリカにおける公正な取引を監督・監視するFTCも、Activision Blizzardの買収を阻止するためにMicrosoftを提訴した組織のひとつです。

MicrosoftによるActivision Blizzard買収については、日本の公正取引委員会や欧州連合の政策執行機関である欧州委員会などが独自に調査を進めていましたが、どちらも機関も最終的に買収を承認しています。

一方で、イギリスの競争・市場庁(CMA)やFTCは買収阻止に向けた動きを進めていたのですが、2023年7月11日、カリフォルニア州判事のジャクリーン・スコット・コーリー氏がFTCによる買収阻止のため仮差止命令の請求を却下し、MicrosoftによるActivision Blizzard買収を認めました。

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しかし、この判決を不服とするFTCは第9巡回控訴裁判所に控訴し、控訴審が終わるまでMicrosoftによるActivision Blizzard買収取引が完了できないようにするための要請を行っていました。しかし、この控訴が却下されています。

この結果について、Microsoftの副会長兼プレジデントであるブラッド・スミス氏は、「取引をさらに遅らせるためのFTCの申し立てを拒否した第9巡回控訴裁判所の迅速な対応に感謝します。これにより、世界的な規制審査マラソンのゴールにまた一歩近づくことができました」とThe Vergeにコメントしています。

なお、コーリー判事による命令の一部である仮差止命令が現地時間の2023年7月15日23時59分に期限切れになることを受け、MicrosoftはActivision Blizzardとの契約を自由に締結できるようになります。ただし、Microsoftは2023年7月18日までにActivision Blizzardとの契約を締結しなければ、Activision Blizzardと買収条件を再交渉するか、買収から撤退(30億ドル(約4200億円)の違約金を支払う必要アリ)するか、双方合意のもと契約期限を延長する必要があります。

ただし、Microsoftは買収取引をすぐに完了できない可能性もあります。イギリスではCMAが「クラウドゲーミングの選択肢とイノベーションを守るため」として、MicrosoftによるActivision Blizzardの買収阻止に向けて動きを進めています。

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なお、CMAは2023年7月の第3週に買収調査について「新たな買収調査につながる可能性がある」とし、Microsoftとの協議は「初期段階にある」と警告しています。さらに、CMAはMicrosoftによるActivision Blizzard買収の調査期限を、2023年7月18日から8月29日にまで延期すると発表しました。