サブスクリプションをキャンセルする方法の難度を高めるのは「顧客がうっかり間違ってキャンセルしてしまうのを防ぐユーザー保護のための機能」と業界団体が語る

サービスの解約手順が複雑すぎる問題を受けてアメリカ連邦取引委員会(FTC)が提案した「顧客がワンクリックで解約できるオプション」を企業に義務づける案について業界団体が反発し、顧客の意図しない解約が増加するとの懸念を示しました。
Publishers and Advertisers Push Back at FTC’s ‘Click-to-Cancel’ Proposal - WSJ
https://www.wsj.com/articles/publishers-and-advertisers-push-back-at-ftcs-click-to-cancel-proposal-de96960b
Big Business Isn't Happy With FTC's 'Click to Cancel' Proposal
https://gizmodo.com/bluesky-engineer-q-a-twitter-alterative-innovation-1850547030
2023年3月、FTCは、サブスクリプションサービスの解約は申し込みと同じくらい簡単であるべきとの意見から、ワンクリックで簡単にサービスを解約できるようにする「Click to Cancel」を義務化する規則条項を提案しました。
「解約は申込と同じくらい簡単にすべき」としてクリック一発でサブスク解約できる「Click to Cancel」の義務化をFTCが目指している、解約を複雑にする企業には罰則も - GIGAZINE

この案について寄せられたパブリックコメントによると、消費者は概して「解約が難しいサービスでも解約が簡単になる」と新提案を熱望していた一方で、大手出版社や広告団体は「不慮の解約の波を引き起こす可能性がある」と懸念していたことが分かりました。
出版社を代表する業界団体News/Media Allianceは、FTCに提出したコメントの中で「実際には解約について苦情を受けることはほとんどありません」と指摘。全国広告主協会(ANA)は「消費者は『ワンクリックで解約できる』などとは普通思わないため、もしワンクリックでキャンセルできるようになった場合、意図しない解約が増えることでしょう。」と主張し、面倒で手間のかかる手順は、実は消費者を守るためにあるのだとの意見を示しました。

データ分析サービスのStatistaによると、2020年時点でアメリカ人は平均して12種類の異なるサブスクリプションに加入しており、JPモルガン・チェースの調べでは、アメリカ人の71%が不要なサブスクリプション料金を毎月少なくとも50ドル(約7000円)支払っていると推定されています。
このようなサブスクリプションサービスの増加を受け、サブスクリプション解約時の不愉快な体験を是正するべく立ち上がったFTCのリナ・カーン委員長は「事業者が消費者を騙し、サービスの料金を支払わせるケースがあまりにも多いです。今回の提案により、消費者の時間とお金を節約し、トリックや罠を使い続ける企業は厳しい罰則の対象となります」と述べました。

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