「Firefox 115」正式版リリース、Windows 7&8やmacOSのSierra~Mojaveをサポートする最後のバージョンに
ウェブブラウザ「Firefox 115」の正式版が公開されました。Firefox 115はWindows 7およびWindows 8のほか、macOSのSierra、High Sierra、Mojaveをサポートする最後のバージョンとなります。
Firefox 115.0, See All New Features, Updates and Fixes
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/115.0/releasenotes/
◆Windows 7およびWindows 8のサポートが終了
MicrosoftによるWindows 7の有償サポート延長プログラムとWindows 8のサポートが2023年1月で終了したのに続いて、FirefoxもWindows 7およびWindows 8のサポートを終了します。次のバージョンであるFirefox 116以降はWindows 7およびWindows 8をサポートしません。
ただし、2024年9月までは自動でESR版に移行してセキュリティアップデートを受け取ることが可能です。なお、Google Chromeは2023年1月10日にリリースされたバージョン109にてWindows 7およびWindows 8へのサポートを終了しています。
◆macOS 10.12、10.13、10.14のサポートが終了
Windows版と同様に、macOSのバージョン10.12(Sierra)および10.13(High Sierra)、10.14(Mojave)のサポートについてもFirefox 115で終了となります。こちらも2024年9月まではセキュリティアップデートが配信される予定です。
◆支払い情報が移行可能に
Chromeベースのブラウザに登録した支払い情報をインポートできるようになり、ブラウザを移行しやすくなりました。
◆タブマネージャーに閉じるボタンを追加
より簡単にタブを閉じることが可能になりました。
◆インポート画面のUIがアップデートされる
従来は「どのブラウザからインポートするのか」「どのプロファイルをインポートするのか」「どのデータをインポートするのか」という複数画面の構成でしたが、Firefox 115からは1画面の構成に変更されてインポートまでに必要なクリック数が減少しています。
◆H264がサポートされない場合のフォールバックが追加される
H264をサポートしないプラットフォームだった場合、CiscoのOpenH264プラグインをフォールバックとして利用するようになりました。
◆特定のWindowsユーザーのネットワークの安定性を向上
安価なデバイスやUSB Wi-Fiドライバを利用しているWindowsユーザーが、OSで位置情報が無効になっている状況で位置情報を承認した際にネットワークが不安定になっていた問題が修正されています。
◆特定のウェブサイトでMozillaが監視していない拡張機能が利用不可能に
Firefox 115からはセキュリティ上の理由により、特定のウェブサイトにおいてMozillaが監視している拡張機能のみが利用可能になりました。
従来通りあらゆる拡張機能を動作させたい場合はURL欄に「about:config」と入力し、「危険性を承知の上で使用する」をクリック。
検索欄に「extensions.quarantinedDomains.enabled」と入力し、出てきた設定を矢印マークで切り替えて「false」にすればOKです。
◆その他の変更点
・Linux&Intel系GPUの組み合わせでハードウェアビデオエンコードが有効に
・Windowsの拡大鏡がタイトルバーのカーソルを追従しない問題を修正
・Undo&Redoがパスワードフィールドで使用可能に
・中ボタンクリックで新規タブを作成することでペースト&移動する機能がLinuxに追加
・Colorwaysテーマがaddons.mozilla.org上に移行される
◆開発者向けの変更点
・デバッガーで無視したソースを非表示にする設定が追加される
開発者ツールのデバッガーにおいて、従来より特定のソースファイルを無視することでそのソースに設定されたブレークポイントをスキップすることができました。
Firefox 115からは、デバッガーの右上にある歯車マークより「無視されたソースを隠す」を有効にすることで無視したソースを非表示にでき、ソースツリーを関心のあるファイルだけですっきりと表示することが可能になっています。
・「F12キー」を無効化する設定が追加される
F12キーを押すことで開発者ツールを開く設定を無効化することができるようになりました。アドレス欄に「about:config」と入力して高度な設定を開き、「devtools.f12_enabled」を変更することでF12キーの有効・無効を切り替えることが可能です。
・designModeやcontenteditableのエディタの動作が他のブラウザと統一へ
ノードを追加する時に既存のノードの後ろに追加されるようになったり、統合する際には後ろのノードを削除して前のノードに追加するようになったりとエディタの動作が他のブラウザと統一されました。
・WebRTCでジッターバッファのターゲットをミリ秒単位で設定可能に
WebRTCを利用したアプリの開発者が安定性と遅延減少のトレードオフを選択できるようになりました。
・元の配列を変更しない操作を可能にする関数がArrayやTypedArrayのprototypeに追加される
ソートなどの操作を配列に対して行う際に、元の配列を変更せず、新たに値をコピーした配列を作成して操作する関数がArrayおよびTypedArrayのprototypeに追加されました。
・animation-compositionをサポート
複数のアニメーションが同じプロパティに同時に影響を与える場合の複合操作を宣言的な方法で定義できるようになりました。
・URL.canParse()関数が追加される
URL.canParse()関数を利用することで、URLが有効で解析可能かどうかを簡単かつ迅速にチェックできるようになりました。
・プライベートブラウジング中のIndexedDBのメモリ制限が撤廃される
ディスク上に暗号化して保存することで、プライベートブラウジング中でもメモリの制限なくIndexedDBが利用可能になりました。復号のためのキーはメモリ上に保存され、プライベートブラウジングのセッション終了時に破棄されます。
・条件付きCSSインポートがサポートされる
メディアの種類やプロパティのサポート状況に応じてCSSをインポートすることが可能になりました。
また、Firefox 115には複数のセキュリティバグフィックスが含まれています。
なお、次期メジャー版となる「Firefox 116」は現地時間の2023年8月1日にリリース予定です。
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