「Vivaldi」がEdgeに偽装する機能を発表、BingのAIチャットの制限回避のため
MicrosoftはBing Chatをリリースして以来、ユーザーがEdgeを使っていなければAIとチャットできないように制限しています。これを回避するため、Android版VivaldiでBing Chatにアクセスする時だけEdgeになりすます機能が発表されました。
Vivaldi on Android bypasses restrictions to access Bing Chat.
https://vivaldi.com/blog/vivaldi-on-android-6-1/
Vivaldi is spoofing Edge Browser to bypass Bing Chat restrictions
https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/vivaldi-is-spoofing-edge-browser-to-bypass-bing-chat-restrictions/
Vivaldiは、EdgeやChromeと同様にChromiumをベースに開発されたブラウザであるため、基本的な動作はこれらのブラウザと同じです。これを利用し、Vivaldiは2023年6月8日リリースの「Vivaldi 6.1」から、Bing Chatにアクセスする際にユーザーエージェントを変更して、Edgeと同様にBing Chatを使えるようにしたことを発表しました。
Vivaldiがほかのブラウザになりすますのはこれが初めてではありません。2019年には、一部サイトが正常に表示されなかったり、ブロックされてしまったりする互換性の問題のために、やむなくユーザーエージェントをChromeに変更しています。
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この新機能について取り上げたIT系ニュースサイトのBleepingComputerによると、Vivaldiが通常のサイトを閲覧する際のユーザーエージェント文字列は「Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko)」で、Sec-CH-UA User-Agent Client Hintsは「"Not.A/Brand";v="8", "Chromium";v="114", "Vivaldi";v="6.1"」とのこと。
これに対し、Bing Chatにアクセスする際のユーザーエージェント文字列は「Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/114.0.0.0 Safari/537.36 Edg/114.0.1823.37」で、Sec-CH-UA User-Agent Client Hintsは「"Not.A/Brand";v="8", "Chromium";v="114", "Microsoft Edge";v="114"」になります。
これにより、Android端末でVivaldi 6.1以降のVivaldiを使用しているユーザーは、Edgeを使うことなくBing Chatとチャットをすることができるようになります。
なお、ユーザーエージェントの変更自体は他のブラウザでも可能です。例えば、PC版のChromeであれば拡張機能である「User-Agent Switcher for Chrome」でユーザーエージェントの変更が可能です。また、Firefoxの場合はURL欄に「about:config」と入力し、「general.useragent.override」と検索してから、出てきた項目の「String(文字列)」として前述のユーザーエージェント文字列を入力するとユーザーエージェントを変更できます。
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