中国の反体制活動家のTwitterアカウントがシャドウバンや突然のアカウント停止を受けていると報告されている

イーロン・マスク氏がTwitterの買収を行い、CEOに就任した2022年10月以降、中国の著名な反体制派の活動家のアカウントが、シャドウバン・突然のアカウント停止を受けるなどの問題が発生しています。

The Toll That Twitter’s Glitches Are Taking on Chinese Activists - The New York Times
https://www.nytimes.com/2023/02/14/technology/twitter-china-elon-musk.html

2022年11月に人権活動家のバオ・プー氏が、中国の厳しいゼロコロナ政策に対する抗議のビデオを投稿したところ、プー氏は「Twitter上であなたの投稿やアカウントを見つけることに苦労しています」と知人の活動家に伝えられたとのこと。

ニュースメディア・NewYork Timesによると、2022年10月以降、30人以上の著名な中国の反体制派の活動家のTwitterアカウントが、投稿したコンテンツが他人のタイムラインに表示されなくなったり、検索結果に名前が載らなくなったりする「シャドウバン」の問題に直面していることが明らかになっています。また、これらの活動家のうち3人は、アカウントが事前警告なしに停止されたことを明かしています。

NewYork Timesは「中国人活動家のアカウントのシャドウバンは、マスク氏がTwitter上で言論の自由を保障しているにもかかわらず、Twitter上で主要な国民の声が隠されたことを意味しています」と述べています。

マスク氏がTwitterのCEOに就任して以降、大規模な人員整理が行われました。この結果、Twitterのスパムフィルターを監督する業務や、アカウントに関するユーザーからの問い合わせを処理する業務、その他の問題を修正する業務に携わる従業員が少なくなっている可能性が指摘されています。

そのため、Twitterではコンテンツモデレーションに携わる従業員が減少し、ヘイトスピーチが増加していることが報告されています。また、Twitter上でスパムツイートやフェイクニュースを削除するための自動システムを監視していた従業員が、大規模な人員整理に伴い大量に解雇され、その結果、自動システムによって中国人活動家のアカウントがシャドウバンされていると推測されています。

アメリカの非営利団体・Center for Democracy and Technologyのガブリエル・ニコラス氏は「英語以外のモデレーションは十分な数のスタッフがいないため、不完全な機械翻訳に依存しており、間違いを犯している可能性が非常に高いです」と述べています。

カナダを拠点とする人権活動家のリュウ・シャシャ氏は、自身のアカウントがシャドウバンされたことに対して「私はTwitterの中国部門に対するすべての信頼を失いました」と述べています。また、作家のシェン・リャンチン氏は予告なしのアカウント停止に対し「私はかつての中国の検閲を思い出しました。Twitterが私たちのアカウントをブロックした場合、私たちは声を上げる手段を失うことになります」と述べています。

NewYork Timesによるこの指摘に対して、Twitterとマスク氏はコメントの要請に応じなかったものの、マスク氏は2022年12月に一部のユーザーのシャドウバンを行っていたことを認め、透明性を向上させる計画を発表しています。