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右翼過激派がイーロン・マスクを利用してTwitterから反ファシズム運動家と左翼系ジャーナリストを追放する運動を行っている

by Eden, Janine and Jim

約440億ドル(約6兆円)でTwitterを買収したイーロン・マスク氏は自らTwitterのCEOに就任し、実際にユーザーからの直接要請を受けてアカウント凍結や強制非表示(シャドウバン)を解除したり、野放しになっている規約違反のアカウントを停止したりといった処分を行っています。そんな中、極右思想を持つことで知られる作家のアンディ・ンゴ氏が、自らが批判する反ファシスト一派のANTIFA関連のアカウントを利用規約違反だとしてマスクCEOに報告し、アカウント停止に追い込んでいると報じられています。

Twitter Thrills Far-Right Trolls by Silencing Left-Wing Voices
https://theintercept.com/2022/11/29/elon-musk-twitter-andy-ngo-antifascist/

ロサンゼルス市議会議員のマイク・ボニン氏は、アメリカ連邦議会議事堂襲撃事件をオープンソースで調査して容疑者の特定と逮捕に貢献したチャド・ローダー氏や、南カリフォルニアの極右でもを取材するジャーナリストのヴィシャール・プラタップ・シン氏のアカウントが停止されていると報告しています。

Twitter is silencing people who document extremism, alt-right violence & police abuse in LA.@chadloder and @vps_reports were suspended after alt-right requests -- while Twitter is reinstating people who promote racism & incite anti-trans violence.

This is ugly and dangerous. pic.twitter.com/7cnhItUY8T

— Mike Bonin (@mikebonin)


ンゴ氏はシン氏のアカウントが停止される数日前に、シン氏のツイートのスクリーンショットを投稿し、「ロサンゼルスのANTIFA極左暴力過激派でジャーナリストを名乗るビシャール・シン氏が再び暴力を呼び掛けています」とツイートしていました。さらにンゴ氏は2021年に、極右系反ワクチン団体に襲われて抵抗するシン氏の映像に編集を加え、シン氏が加害者であるという虚偽の通報を行っていました。


ただし、いずれにおいてもアカウント停止措置は取られておらず、シン氏の元にはTwitter運営から「あなたのアカウントに関する苦情を受けました。報告された内容を調査した結果、Twitterのルールに基づく削除の対象ではないことが判明しました」というメールを受け取ったそうです。

しかし、今回ンゴ氏がマスクCEOに訴えたことで、シン氏のアカウントはついに停止。シン氏は「自分のツイートが消されてしまったため、これまで自分が書いたほぼすべての記事を修復しなければならないでしょう。無数のジャーナリストが書いた何百もの記事が私のツイートを使っています。私のツイートを引用した学術論文もあります。しかし、これらのリンクと埋め込みはすべて壊れています」と、Mastodonでコメントしています。


他にもLGBTQ+関連イベントで警備を担当していたテキサス州の反ファシスト団体「the Elm Fork John Brown Gun Club」や、1990年代から反権威主義の書籍やポッドキャストを出版・配布しているアナーキスト集団「CrimethInc」のアカウントも停止されたとのこと。いずれのアカウントもンゴ氏によって「ANTIFAである」と認定されて厳しく批判されていました。

また、ンゴ氏は2021年に反ファシスト研究家のチャド・ロダー氏のTwitterアカウントを停止しようとしたが失敗しており、今回の騒動で再びロダー氏のTwitterアカウントを停止するようにマスクCEOに直訴。マスクCEOが反応を示してすぐに、およそ1時間半にわたってロダー氏のアカウントが停止状態になったそうです。

その後、ロダー氏のアカウントは一時的に復活したものの、新型コロナ関連の活動で使用していた別アカウントに切り替えていたのを「アカウント停止から逃れるために別のアカウントを使った」と非難され、再びアカウント停止措置を受けてしまったそうです。

ロダー氏は「私は、自分たちが過去に犯した悪行の証拠となるようなアーカイブを消去し、将来それらを暴露する我々を無力化しようとする極右過激派の献身的な活動によって、私と他のアカウントがここ数週間大量に通報されていると思っています。Twitterの自動システムが何らかの理由で私のアカウントにフラグを立てていて、それを人間がちっともチェックしていないのではないかと考えています」とコメントしています。

また、ロダー氏はMastodonに、「マスク氏が単にロダー氏の言いなりになってアカウント停止しているのではないか」という考えを冗談混じりに示しています。


実際、TwitterではマスクCEOによって大規模な人員削減が行われており、約7500人いた従業員が2700人にまで激減していることが報じられています。そのため、ユーザーからの通報を受けてコンテンツをチェックするための人員が不足しているのではないかと指摘されています。

Twitterの従業員数がイーロン・マスクの買収後7500人から2700人に激減、今後は積極採用を行い目指すは「日本のような利用状況」 - GIGAZINE


ロダー氏は、TwitterがマスクCEOの大改革によって極右のヘイトスピーチに寛容になっていることに触れて、「おそらくTwitterがしばらくの間、ウェブサイトやアプリとして機能しつづけるものの、公共の重要事項に関する様々な意見を見つける場所、あるいは極右過激派に対抗するオンライン組織化の空間として徐々に空洞化することでしょう」と予想しています。

The Interceptの記事を受けて、LGBTQ+問題で活躍する法律家のアレハンドラ・カラバッロ氏「何百万回と言ってきましたが、結局言論の自由ではなく、権力について争っているだけなのです。極右過激派は言論の自由と叫ぶが、彼らは権力を握るとすぐに嫌いな人を検閲します。言論の自由とはすべて口実なんです」という意見を述べています。

For the millionth time, it's not about free speech, it's about power. The far right trolls cry about "free speech" but the minute they have power, they immediately censor anyone they dislike. It's all a pretext. https://t.co/ZbxAGTotUT pic.twitter.com/ajkCvlWEnv

— Alejandra Caraballo (@Esqueer_)

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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