チェスAI不正疑惑のハンス・ニーマンによる訴訟は売名行為であるとしてChess.comが棄却を申し立て
チェスの大会でAIを用いて不正をした疑いをかけられているグランドマスターのハンス・ニーマン氏が、マグヌス・カールセン氏とオンラインチェスプラットフォーム・Chess.comが共謀して自らを陥れ名誉を毀損(きそん)したとして1億ドルの賠償を求める訴えを起こした件で、Chess.comが「ニーマン氏の訴えに利はなく、単なる売名行為」として、裁判所に訴えの棄却を申し立てました。
Chess.com Says Hans Niemann’s $100M Lawsuit is a ‘Public Relations Stunt’ in Motion to Dismiss
https://www.vice.com/en/article/k7b9en/chesscom-says-hans-niemanns-dollar100m-lawsuit-is-a-public-relations-stunt-in-motion-to-dismiss
ニーマン氏に不正の疑いがかけられた経緯や、ニーマン氏がChess.comとカールセン氏を訴えた一件は以下の記事にまとまっています。
チェスでAI不正疑惑のハンス・ニーマンが反撃、Chess.comやマグヌス・カールセンに1億ドルの訴訟 - GIGAZINE
2022年12月2日に提出された申し立ての中でChess.comは、ハンス・ニーマン氏に不正行為について説明する機会を与えたにもかかわらず、むしろChess.comの私的行動を公表することを選び、この訴訟を起こしたと主張。その上で、訴訟は広報活動として起こしたとしか思えないほどにメリットのないもので、裁判所はこの訴訟を進めることを許可してはいけないと、棄却を求めています。
また、ニーマン氏が疑惑を指摘したカールセン氏とChess.comだけではなく、Chess.comに携わるグランドマスターのダニエル・レンシュ氏も訴えたことについて、「Chess.comで最も著名な人物なので、訴訟の注目度を高めたかっただけにすぎない」とも主張しました。
Chess.comの弁護人はニュースサイト・Viceに対して、「申し立てで明らかなように、Chess.comはハンス・ニーマン氏の主張には何のメリットもないと考えています。Chess.comが世界中のファンのため、チェスを成長させることに集中できるように、我々は法定に主張を申し立てるものです」と述べています。
なお、この訴訟についてニーマン氏の側からはコメントは発表されていません。
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