「チェスのAIチートに使える大人のおもちゃ」の作り方ガイドが公開される、動作を検証するムービーも
チェスのグランドマスター同士の対戦でAIを用いた不正の可能性が騒がれる中、インターネット上には「振動デバイスを尻の穴に隠して、AIの導き出した最善手をモールス信号で受け取っている」といった珍説が登場しています。新たに、オープンハードウェア企業のAdafruitが「Cheekmate」と名付けたチート用振動デバイスの作り方ガイドを公開しました。ガイドの中には「振動デバイスを体内に隠しても動作することを実証するムービー」も含まれています。
Overview | Cheekmate - a Wireless Haptic Communication System | Adafruit Learning System
https://learn.adafruit.com/cheekmate-wireless-haptic-communication
振動デバイスでAIチートを行うという珍説は、2022年9月19日に行われたマグヌス・カールセン氏とハンス・ニーマン氏の対戦に端を発しています。問題の対戦で、カールセン氏はニーマン氏の不正を疑い2手目で投了。その後、インターネット上ではカールセン氏が主張する「ニーマン氏の不正」の実行方法に関する議論が盛り上がり、その中で「振動デバイスでAIチート説」が浮上しました。「振動デバイスでAIチート説」はインターネット上で爆発的に広がり、数日後には有志によって振動デバイスでAIチートを行うためのシステムが開発されるに至っています。
チェスのチートに使える大人のおもちゃ開発プロジェクト「ButtFish」 - GIGAZINE
そんな中、新たにお尻の穴に挿入できるほどのコンパクトなワイヤレス通信機能付き振動デバイス「Cheekmate」の作成ガイドがAdafruitによって公開されました。CheekmateにはAdafruitが販売する小型処理チップや振動モーターが搭載されており、外部から無線接続して任意の振動を発生させられます。
また、Adafruitは「人体は多くの水分を含んでいるが、ワイヤレス信号が体内まで正常に届くのか?」という疑問を解決するために、豚肉にCheekmateを挿入して動作を検証しました。その結果、Wi-Fiアクセスポイントから30フィート(約9メートル)離れた地点に置いた豚肉を置いた場合でも、正しく動作することが確認されました。実際にCheekmateを豚肉に挿入して振動させる様子は、以下のムービーで確認できます。
Cheekmate Test - YouTube
上記の通り無線通信による振動の発生は無事に成功しましたが、「分厚い肉に挿入しても外部に振動音が漏れてしまう」という問題も発覚しました。このため、Adafruitは「振動デバイスでAIチート説」について「その説はもっともらしいですが、実現できそうにありません」と結論付けています。
なお、Cheekmateの作成に必要な処理チップや振動モーター、バッテリーなどはAdafruitのオンラインショップで合計35.25ドル(約5100円)で入手可能です。
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