1956年発売の伝説的コンピューター「LGP-30」を地下室で発見したとRedditユーザーが報告

寸法は33×44×26インチ(約84×約112×約66センチ)とちょっとした机ほどの大きさで、重さは800ポンド(約360kg)もありますが、当時としては小型のコンピューターでした。内部には真空管113本、半導体ダイオード1450個、磁気ドラムメモリを搭載しており、記憶容量は現代の約15.8KBに相当する4069ワードの31ビットコンピューターです。

LGP-30が希少とされているのは現存数が少ないからだけでなく、「The Story of Mel(メルの物語)」というハッカー伝説の中で「真のプログラマー」とうたわれているメルことMelvin Kayeにまつわる機種でもあるためです。

「メルの物語」は、LGP-30のメーカーであるLibrascopeに勤務していたメルが、トランプゲームのブラックジャックのプログラムをLGP-30から他製品に移植する仕事を任された際に、天才的かつ独創的なプログラミングでそれを行ったという逸話です。「メルの物語」の中で、著者でありメルが残したプログラムのデバッガーでもあったエドワード・ナザーは、あまりにも素晴らしいコードだったため畏敬の念のあまりデバッグを中止して「バグはなかったと報告した」と語りました。

ハッカーの間で伝説的なこの物語の他にも、LGP-30には気象学者のエドワード・ローレンツがバタフライ効果とカオス理論の検証に使ったというエピソードもあります。

他のRedditユーザーからLGP-30がいかに貴重なものかを教えてもらったc-wizz氏は、「もしこれが再び動くようになれば本当に素晴らしいことだと思います。どうやら、ドイツには現役のLGP-30を収蔵している博物館があるようなので、連絡しようと思います」と話しました。