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iPhone14海外レビューまとめ、過去最小のアップグレードでメディアごとに意見が割れる


2022年9月16日(金)発売の「iPhone 14」を、複数の海外メディアが先行レビューしています。iPhone 14 Proは「最高のスマートフォン」と評されていますが、iPhone 14は「Appleの歴史上最小のアップグレード」しか施されておらず、メディアによっては「同じ価格帯で最も優れたAndroidスマートフォンが存在する」としています。

The VergeはiPhone 14について、「わずかなカメラのアップグレード、新しい緊急機能、この他にはあまりありません」「iPhone 14はいいです。ただし、iPhone 14を買うべきではありません」と評しています。

Apple iPhone 14 review: it’s the iPhone 13S - The Verge
https://www.theverge.com/23352282/iphone-14-review-apple


iPhone 14の端末サイズはiPhone 13と同じですが、メインカメラの隆起部分がわずかに分厚くなっているためiPhone 13のケースには収まらないそうです。


15WのMagSafe充電器に対応しており、IP68相当の防水性能、Wi-Fi 6対応、ストレージ容量が128GBと512GBであるという点はiPhone 13と同様。ただし、Bluetoothの対応バージョンは5.0から5.3にアップグレードされています。

6.1インチのSuper Retina XDRディスプレイはiPhone 13と全く同じものを搭載しており、リフレッシュレートは60Hz。ただし、SamsungのGalaxy A53 5Gのような他社製同等モデルがリフレッシュレート120Hzに対応していると、The Vergeは指摘しています。


iPhone 14のメインカメラは広角カメラと超広角カメラから成るデュアルカメラです。広角カメラはiPhone 13 Proと同等のものを採用しており、iPhone 13のものと比べてより大きなセンサー、より多いピクセル数を備え、絞り値もf/1.6からf/1.5に変化しています。ただし、超広角カメラのハードウェア面に変更はありません。

iPhone 13の画像処理エンジンであるDeep Fusionが、iPhone 14ではPhotonic Engineに進化しているため薄暗い場所で撮影した写真の精度は「iPhone 14の方が高い」とThe Verge。写真の精度が高いのは、広角カメラだけでなく、超広角カメラで撮影した写真や、インカメラで撮影した写真も同様です。


The Vergeは「iPhone 14は非常に機能的で、iPhone 13 Pro Maxに搭載されていた5コアGPUのA15 Bionicは日常タスクからグラフィック性能を求めるゲームまで、あらゆる処理を実行可能です。カメラは非常に優れた写真を撮影可能で、同クラスの他の端末よりも優れた動画を撮影できます。ただし、これはiPhone 13にも当てはまります。iPhone 14にはiPhone 13はいくつかの便利なアップグレードが加えられていますが、iPhone 13はほぼ同等の機能で、価格も100ドル(約1万4000円)安いです」「今すぐ購入できる優れたスマートフォンの幅広いラインナップが存在する現状で、iPhone 14を支持する理由が見つかりません」と記しました。

The VergeはiPhone 14の長所として「より良いインカメラ」「より良いバッテリー寿命」「衝突検出と衛星通信経由の緊急SOS機能」の3点を挙げ、短所として「iPhone 13Sのような端末」「ディスプレイのリフレッシュレートはまだ60Hz」「eSIMへの移行はほとんどの人にとって簡単ですが、一部の人にとっては苦痛」の3つを挙げています。


The Washington Postは「iPhone 14はこれまでのiPhoneよりも優れていますが、本当に本当に近くでよく確認しないとそのことに気づかないでしょう」とし、iPhone 14で撮影した写真をiPhone 11 Proで撮影した写真と比較して、どちらの方が優れた写真かを判別するのに「15分かかった」としています。なお、The Washington PostはiPhone 14のカメラについて「ソリッドだけど繊細」と表現。

Apple’s iPhone 14 has subtle upgrades, not stunning ones - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2022/09/14/iphone-14-review/


他にも、The Washington Postは衛星通信経由の緊急SOS機能について、「我々が決して望むことがないであろう機能」と指摘。また、「iPhoneのアップグレードにより『今すぐアップグレードしなければ!』と思わせるような機能がiPhoneにやってくる時代は終わってしまった」と記し、「過去4年以上新しいスマートフォンにアップグレードしていない人にとっては最高の端末となる」としました。

一方、CNETはiPhone 14について「ほとんどの人にとって優れたアップグレード」と評し、メインカメラのアップグレード、オートフォーカス機能の改善により自撮りの見栄えが良くなる点、修理性の向上、動画撮影時に利用できる「アクションモード」などを長所として挙げています。ただし、「Appleの歴史上最も最小限の前年比アップグレード」とも記しており、iPhone 14を「iPhone 13 Proを再パッケージ化し、望遠カメラと高リフレッシュレートディスプレイを削除したもの」と表現。iPhone 14の短所として「超広角写真の画質が低下する点」「前年比のアップグレード内容が最小限」などを挙げました。

iPhone 14 Review: A Good Upgrade for Most People - CNET
https://www.cnet.com/tech/mobile/iphone-14-review-good-upgrade-for-most-people/


CNETが長所として挙げた動画撮影時に使用可能なアクションモードは、ジンバルなしでも動画の手ブレを最小限に抑えることができるという機能。アクションモードがどれほど優れた機能なのかは、以下の動画を見れば一発でわかります。

iPhone 14シリーズ「アクションモード」作例:ジンバルいらずの動画機能 - YouTube


CNETが長所として挙げた修理性の向上は、iPhone 14のアルミニウム筐体と背面のガラスパネルを分離できるように内部構造を再設計したことによって実現しています。これによりiPhone 14では放熱効率と修理性が向上しており、背面ガラスが割れてもハウジング全体を交換する必要がなくなっています。

Engadgetも「ほとんどの人にとってアップグレードの年ではない」として、iPhone 14のアップグレードが物足りないものであると指摘。そんなiPhone 14の長所として「iPhoneとしては競争力のある価格帯」「簡単なeSIM設定」「優れたパフォーマンス」を挙げ、短所として「リフレッシュレートの低いディスプレイ」「USB-C非対応」の2点を挙げました。Engadgetは「iPhone 14はiPhone 13と非常によく似ており、iPhone 13はiPhone 12と非常によく似ています。だからといって、iPhone 14が悪い端末というわけではありません。2年以内に発売されたスマートフォンを利用している人にとって、アップグレードの必要性が低いというだけです衛星通信経由の緊急SOS機能や衝突検出などの新機能は、あまり使用する必要がないものです」とも評しています。

iPhone 14 review: Not an upgrade year for most | Engadget
https://www.engadget.com/iphone-14-review-camera-test-sample-pictures-notch-specs-battery-life-130022134.html


ウォール・ストリート・ジャーナルも「999ドル(日本では税込14万9800円から)からのiPhone 14 Proを購入すべき」と言及。

iPhone 14 and 14 Pro Review: Go Pro or Go Home - WSJ
https://www.wsj.com/articles/iphone-14-and-14-pro-review-go-pro-or-go-home-11663160540


CNBCも「今年iPhoneの乗り換えを検討している場合は、iPhone 14 Proを選んでください」と言及し、iPhone 14がiPhone 13からアップグレードされた点は最小限としています。

Apple iPhone 14 review: Get the Pro model
https://www.cnbc.com/2022/09/14/apple-iphone-14-review-get-the-pro-model.html

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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