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5万円台のGoogle純正スマホ「Pixel 6a」海外レビューまとめ、上位機種と同じSoC「Google Tensor」搭載スマホの実力とは?


Googleが2022年7月、Android搭載のGoogle純正スマートフォン「Google Pixel 6a」を発売しました。5万円台という手が出しやすい価格帯ながら、2021年に登場した上位機種「Pixel 6」や「Pixel 6 Pro」と同様の独自SoC「Google Tensor」を搭載したPixel 6aについて、海外メディアが次々にレビューを公開していたのでまとめてみました。

Google Pixel 6A review: Tensor makes it a smart choice for $449 - The Verge
https://www.theverge.com/23272042/google-pixel-6a-review-screen-price-specs-battery-camera

Google Pixel 6a Review: Just in time to replace the Pixel 3a - 9to5Google
https://9to5google.com/2022/07/21/google-pixel-6a-review/

Pixel 6a review: Google pares down the Pixel 6 to perfection | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2022/07/pixel-6a-review-google-pares-down-the-pixel-6-to-perfection/

Google’s Pixel 6a is a budget device with the heart of a flagship | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/07/21/googles-pixel-6a-is-a-budget-device-with-the-heart-of-a-flagship/

Pixel 6aは2021年に登場したPixel 6/6 Proの廉価版という位置づけであり、アメリカでの販売価格は449ドル(約6万2000円)、日本での発売価格は5万3980円となっています。なお、Pixel 6/6 Proの使い勝手や性能については、以下のレビューを読むとよくわかります。

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新たに発売されたPixel 6aの外観は、Ars Technicaの撮影した写真を見るとよくわかります。Pixel 6/6 Proと同様に有機ELディスプレイを採用し、ディスプレイのサイズは6.1インチ。Pixel 6は6.4インチ、Pixel 6 Proは6.7インチであり、Pixel 6aは上位機種よりもやや小さいサイズとなっていますが、iPhone SEの4.7インチと比較するとかなり大きめ。また、ディスプレイ下部には上位機種と同様に指紋リーダーが搭載されているほか、SoCも上位機種と同じGoogle Tensorを採用。耐水性はIP67となっており、Pixel 6/6 ProのIP68には及ばないものの、「一時的に水中に沈めた場合でも機器が影響を受けない」とされています。


背面にはPixel 6/6 Proと同様にカメラバーがありますが、カメラバーの厚みは上位機種より浅くなっています。なお、背面はガラスを模した光沢のあるプラスチック製とのことですが、Ars TechnicaのライターであるRon Amadeo氏は、「背面はプラスチックですが、それは最高のガラスにかなりうまくなりきっています」と述べています。


9to5GoogleのライターであるBen Schoon氏も、Pixel 6aの光沢があるプラスチック製ボディは安っぽく見えない上に、本体の軽量化にも役立っていると指摘。「普段私のポケットにあるPixel 6 Proは時々扱いにくいことがあり、通常のPixel 6でさえ大きくかなり重いスマートフォンです」「GoogleはPixel 6aでバランスを取っています。これはデバイスを初めて手に取った瞬間、初めて本当にわかるものです。軽くて適度なサイズですが、小さすぎません」と高評価を与えています。

Ars TechnicaのAmadeo氏は、初代Pixel~Pixel 5シリーズまではGoogle製スマートフォンのデザインに一貫性がなく、毎年のようにゼロからやり直しているようだったと指摘。しかし、Pixel 6aを含むPixel 6シリーズおよびPixel 7ではハードウェアに一貫性があり、明らかに同じスマートフォンファミリーであることが見て取れるとして、「Googleのハードウェアにとって大きな前進を表しています」と述べています。

Ars TechnicaがPixel 6aのパフォーマンスをベンチマークソフト「Geekbench 5」で測定し、Pixel 6 Pro、Pixel 5a、Galaxy S22 Ultraと比較したグラフがこれ。同じGoogle Tensorを搭載していることもあり、ベンチマークにおいてはPixel 6 Proと遜色ないパフォーマンスを発揮しています。Amadeo氏は、グラフの中で比較したGalaxy S22 Ultraよりパフォーマンスが劣っているように、Google Tensor自体はフラッグシップスマートフォンの中では大したものではないとしつつも、競合他社より低価格で販売することでこれをカバーしていると指摘しました。


Pixel 6aはSoCに上位機種と同じGoogle Tensorを搭載し、ディスプレイにも1080p有機ELディスプレイを採用している代わりに、プラスチック製のボディを採用するなどのコストダウンを行っています。中でも大きなダウングレードは「60Hzディスプレイ」だとのことで、The Vergeのライター・Allison Johnson氏は、「しばらく120Hzのスマートフォンを使った後に60Hzのスマートフォンを使うと、間違いなく違いに気付きます」と指摘。Pixel 6aだけを触っていれば気付きにくいものの、120Hzのディスプレイと比較すると動きはギクシャクして見えるとのこと。しかし、同じ価格帯のスマートフォンでは液晶ディスプレイを採用する機種も多い中、有機ELディスプレイを採用したことによるコントラストの豊かさは良いものだと主張しました。

また、Pixel 6aにはワイヤレス充電はなく、microSDスロットもありません。ディスプレイを覆うガラスも、Pixel 6/6 Proでは落下耐性2メートルの「Gorilla Glass Victus」を採用していましたが、Pixel 6aでは「Gorilla Glass 3」にダウングレードされています。さらに、Pixel 6aではついにイヤホンジャックが排除されたことも話題となりました。

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Johnson氏は、アメリカではPixel 6aと同じ449ドルで販売されているSamsungのGalaxy A53 5Gが競合機種になるだろうと指摘。Galaxy A53 5Gは1080pの有機ELディスプレイを搭載し、リフレッシュレートは120Hz、サイズは6.5インチとなっており、ディスプレイにおいてはPixel 6aを上回っているといえます。しかし、プロセッサについてはPixel 6aに軍配が上がるとのこと。

カメラについてもPixel 6aではダウングレードが行われています。Pixel 6では50MPの広角カメラと12MPの超広角カメラが搭載され、Pixel 6 Proには画素数48MPの望遠カメラも搭載されていましたが、Pixel 6aに搭載されているのは12.2MPの広角カメラと12MPの超広角カメラです。また、カメラセンサーも最新のものではなく、2018年に登場したPixel 3から使用されているSony IMX363を搭載しています。


しかしJohnson氏は、「実際には、新しい高解像度センサーの写真は古いカメラの写真よりも劇的に良く見えません」「Pixel 6aの写真は普通のPixelスマートフォンカメラの写真のように見えます」と述べ、温かみのある写真が好きならGalaxy A53 5Gに軍配が上がるものの、ややクールなホワイトバランスのPixelシリーズの写真が好きなら、Pixel 6aを気に入るだろうと主張しています。

また、低照度で撮影した写真において発生しやすい被写体のブレを機械学習で補正する「Face Unblur」機能がうまく動作し、動きやすい子どもの顔もしっかり捉えられていたとのこと。カメラアプリにも遅れがなく、Pixel 5aでは1枚の写真を処理するのに4~5秒かかっていたポートレートモードでの撮影も、Pixel 6aなら約1秒間隔で可能だそうです。「これは私がほとんどのミドルレンジスマートフォンに期待するものをはるかに超えており、Tensorは確かにここで違いを生むのを助けています」とJohnson氏は述べています。

一方、9to5GoogleのSchoon氏はカメラ性能についてややシビアな見方をしており、Pixel 6/6 Proと比較すると確かに写真や動画の品質が劣っているのがわかると指摘。しかし、写真から邪魔な物体を消し去る「消しゴムマジック」機能はうまく動作し、一般的な撮影では特に問題ないことから、ミドルレンジのスマートフォンとしては十分だろうとも述べています。

Pixel 6aのストレージは128GBとなっており、Pixel 6のように256GBモデルを選ぶことはできません。また、RAMもPixel 6では8GBでしたが、Pixel 6aでは6GBとなっています。基本的な性能には問題ないとするレビューが多かったものの、Schoon氏は「Pixel 6aはバッテリーセーバーモードになっているPixel 6のように感じます。60Hzディスプレイは確かにPixel 6aを少し遅く感じさせる要素の1つですが、私たちが見つけた主な原因はRAM、特にRAM管理にあります。Pixel 6aには、以前のPixel 5aと同じように6GBのRAMが搭載されています。しかし、編集長のAbner氏と私はどちらも、スマートフォンがバックグラウンドでアプリを非常にすばやくオフロードする傾向があることに気づきました」と述べ、わずか数分でアプリがオフロードされてしまう点は残念だと指摘しています。

また、バッテリーもPixel 6の4614mAhから4410mAhへわずかに減少していますが、いずれのメディアも1日使うのに問題ないバッテリー容量だと述べています。一方、Pixel 6/6 Proでは不満の声も多かった指紋センサーについてはメディアによってさまざまな反応ですが、特に大きな改善はなかったという見方が主流のようです。

多くのメディアはGoogleのOSアップデート期間が3年間であり、Appleの5年間やSamsungの4年間より短い点を欠点として挙げていますが、これ以外に大きな欠点はないともいわれています。Amadeo氏は、「少なくともアメリカでは、同価格帯の他のAndroidスマートフォンを吹き飛ばすプロセッサがあります。デザインは素晴らしく、カメラも問題なく、価格も適切です」「これは今、Androidスマートフォンを探している人にオススメできるデバイスです」と述べました。

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in モバイル, Posted by log1h_ik

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