iPhone 14シリーズの価格は日本を含めた世界各国でどれぐらい差があるのか?
2022年9月8日のイベントでついに発表された「iPhone 14」の日本での販売価格は、発売当初の「iPhone 13」の価格と比較して2~3万円値上げされています。一方で、アメリカや中国ではiPhone 13と同価格で発売されることも分かっています。iPhone 14の価格が世界各国でどれほど違うのかについて、スマートフォン系メディアのGSMArenaがまとめました。
iPhone 14 and 14 Pro get price hikes outside the US, even iPhone SE (2022) is more expensive - GSMArena.com news
https://www.gsmarena.com/iphone_14_gets_price_hikes_outside_the_us_even_iphone_se_2022_is_more_expensive-news-55706.php
Apple raises iPhone 14 price in UK, Japan, Australia, overseas markets
https://www.cnbc.com/2022/09/08/apple-raises-iphone-14-price-in-uk-japan-australia-overseas-markets.html
iPhone 14の日本での販売価格は、128GBモデルが税込11万9800円、256GBモデルが税込13万4800円、512GBモデルが税込16万4800円です。片やiPhone 13の当初の価格は128GBモデルが税込9万8800円、256GBモデルが税込11万800円、512GBモデルが税込13万4800円であり、これと比較してiPhone 14が値上げされているのが分かります。
GSMArenaがまとめた世界各国のiPhone 13とiPhone 14のおおよその価格を比較した表が以下。どちらも最も安価な128GBモデルです。こうして見ると日本の20%という数値はかなり値上げ幅が広い方だというのが分かります。アメリカ、カナダ、インド、中国は両機種とも同価格です。
iPhone 13 | iPhone 14 | 値上がり率 | |
日本 | 10万円 | 12万円 | +20% |
アメリカ | 800ドル | 800ドル | |
カナダ | 1100カナダドル | 1100カナダドル | |
イギリス | 780スターリング・ポンド | 850スターリング・ポンド | +9% |
アイルランド | 930ユーロ | 1030ユーロ | +11% |
オーストラリア | 1350オーストラリアドル | 1400オーストラリアドル | +4% |
ドイツ | 900ユーロ | 1000ユーロ | +11% |
フランス | 910ユーロ | 1020ユーロ | +12% |
イタリア | 940ユーロ | 1030ユーロ | +10% |
ポーランド | 4200ズウォティ | 5200ズウォティ | +24% |
インド | 8万インド・ルピー | 8万インド・ルピー | |
マレーシア | 3900リンギット | 4200リンギット | +8% |
タイ | 3万バーツ | 3万3000バーツ | +10% |
中国 | 6000元 | 6000元 |
続いて「iPhone 13 Pro」と「iPhone 14 Pro」の価格比較がこんな感じ。日本の正規販売価格はiPhone 13 Proが12万4800円、iPhone 14 Proが14万9800円で、2万5000円の値上がりとなっています。
iPhone 13 Pro | iPhone 14 Pro | 値上がり率 | |
日本 | 12万5000円 | 15万円 | +12% |
アメリカ | 1000ドル | 1000ドル | |
カナダ | 1400カナダドル | 1400カナダドル | |
イギリス | 950スターリング・ポンド | 1100スターリング・ポンド | +16% |
アイルランド | 1180ユーロ | 1340ユーロ | +14% |
オーストラリア | 1700オーストラリアドル | 1750オーストラリアドル | +3% |
ドイツ | 1150ユーロ | 1300ユーロ | +13% |
フランス | 1160ユーロ | 1330ユーロ | +15% |
イタリア | 1190ユーロ | 1340ユーロ | +13% |
ポーランド | 5200ズウォティ | 6500ズウォティ | +25% |
インド | 12万インド・ルピー | 13万インド・ルピー | +8% |
マレーシア | 4900リンギット | 5300リンギット | +8% |
タイ | 3万9000バーツ | 4万2000バーツ | +8% |
中国 | 8000元 | 8000元 |
最後に「iPhone 13 Pro Max」と「iPhone 14 Pro Max」の比較表がこれ。ヨーロッパおよび日本でいずれも10%以上の値上げが見られます。
iPhone 13 Pro Max | iPhone 14 Pro Max | 値上がり率 | |
日本 | 13万5000円 | 16万5000円 | +12% |
アメリカ | 1100ドル | 1100ドル | |
カナダ | 1550カナダドル | 1550カナダドル | |
イギリス | 1050スターリング・ポンド | 1200スターリング・ポンド | +14% |
アイルランド | 1280ユーロ | 1490ユーロ | +16% |
オーストラリア | 1850オーストラリアドル | 1900オーストラリアドル | +3% |
ドイツ | 1250ユーロ | 1450ユーロ | +16% |
フランス | 1260ユーロ | 1480ユーロ | +17% |
イタリア | 1290ユーロ | 1490ユーロ | +16% |
ポーランド | 5700ズウォティ | 7200ズウォティ | +26% |
インド | 13万インド・ルピー | 14万インド・ルピー | +8% |
マレーシア | 5300リンギット | 5800リンギット | +9% |
タイ | 4万3000バーツ | 4万5000バーツ | +5% |
中国 | 9000元 | 9000元 |
調査会社のCounterpoint Researchは、ヨーロッパと日本での値上げについて「ユーロと円の価値がドルに対して下落したからではないか」と分析。そのほか、部品のコスト上昇も原因として考えられるそうです。
中国での販売価格が上がらなかった理由の背景には、Appleにとって最も重要な市場の1つである中国の消費意欲低下があると考えられるそうです。中国は大都市上海を徹底的に封鎖管理するなど「新型コロナウイルスゼロ」政策を堅持しており、このことが消費者の支出減少につながっていると考えられるとのこと。
調査会社のIDCは「2022年にはスマートフォン市場が前年比13%縮小し、2012年以来初めて出荷台数が3億台を下回るだろう」と分析しています。このことから、AppleはiPhone 14の値上げを行わないことで、しぼみつつある消費意欲の維持を計ろうとしているのだと考えられるとのこと。IDCのブライアン・マー氏は「価格を一定に保つ理由の1つが、困難な市場で需要を維持するためだったとしても驚かないでしょう」と述べました。
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