最もカフェインを効率良く摂取できるコーヒーの抽出方法は一体何なのか?


カフェインといえばコーヒー、コーヒーといえばカフェインというイメージは誰しも持っているはずですが、コーヒーには豆や抽出方法などにさまざまな種類があり、それぞれによって摂取できるカフェイン濃度は異なります。最もカフェインを多く、あるいは最も効率的にカフェインを抽出する方法などについて、ニューキャッスル大学で食品科学・人間栄養学の講師を務めるエマ・ベケット氏が解説しました。

Plunger, espresso, filter? Just because your coffee is bitter, doesn't mean it's 'stronger'
https://theconversation.com/plunger-espresso-filter-just-because-your-coffee-is-bitter-doesnt-mean-its-stronger-188905

コーヒー豆1つをとってしても、豆をひいてろ紙でこすドリップコーヒーや、高圧力で一気に抽出するエスプレッソコーヒー、低温の水にコーヒーを浸すコールドブリュー(水出し)などさまざまな抽出方法が存在します。ベケット氏いわく、この中で1ml当たりのカフェイン濃度が最も高くなるものは「エスプレッソ」だとのこと。


エスプレッソ以上に長い時間圧力を加えるモカポットやコールドブリューで抽出できるカフェインが1ml当たり1.25mg程度であるのに対し、エスプレッソで抽出できるカフェインは1ml当たり最大4.2mgにもなるそうです。これはエスプレッソに使われる豆が細かくひかれていることで、水溶性のカフェインが圧力により抽出されやすくなっているのが理由だそうです。

しかし、これらの比較はあくまで理論的なものであり、実際にコーヒーを消費する状況に基づくとまた少し違った結果が見えてきます。というのも、エスプレッソは基本的に豆から抽出できるコーヒーの量が少なく、「1杯当たりのカフェイン量」は他のものに比べて少なくなる傾向にあるからです。


1杯当たりのカフェイン量で比較してみると、典型的なエスプレッソが1杯30mlでカフェインが122mgとなるのに対し、コールドブリューは1杯120mlとなり149mgのカフェインを抽出できるとのこと。他にもモカポットが1杯40mlでカフェイン51mg、HARIO V60が1杯120mlでカフェイン89mg、AeroPressが1杯120mlでカフェイン93mg、フレンチプレスが1杯120mlでカフェイン62mgとなるそうです。

金属製のフィルターでろ過するフレンチプレスは、紙フィルターだと吸収されてしまう油分を楽しめる方法として知られています。しかし、フレンチプレスは「コーヒー1g当たりのカフェイン量」で比べると他の抽出方法よりも少なく、他が平均して1g当たりカフェイン10.5mgであるところ、フレンチプレスは1gあたり6.9mgのカフェインしか含まれていないとのことです。


ベケット氏は「カフェインの含有量はコーヒーの要素の一部分に過ぎません」と指摘。前述の油分に加え、何千もの化合物が香りや風味を作り上げており、カフェイン以外にも特徴的なものがたくさんあると話します。「一概にカフェインといっても人によって感じ方は違うので、最終的にどのように淹れるかは個人の選択となります」と締めくくりました。

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in , Posted by log1p_kr

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