樹齢200年の大木が暑すぎて爆発してしまう
現地時間の2022年8月9日、記録的な熱波に襲われているアメリカ・オレゴン州で、樹齢200年の大木の枝が折れて付近の送電線などに被害が生じました。専門家は枝が折れてしまった原因について、「暑すぎて木の内部にガスがたまり、爆発してしまったのだろう」と推測しています。
200-year-old tree explodes because of Oregon heat wave, expert says
https://www.kktv.com/2022/08/09/200-year-old-tree-explodes-because-oregon-heat-wave-expert-says/
Searing seven-day long heatwave sees 200-year-old tree explode in 35C temperatures - Mirror Online
https://www.mirror.co.uk/news/us-news/searing-seven-day-long-heatwave-27702142
オレゴン州ポートランドで大木の枝が折れ、送電線に被害が出たことを報じたニュース映像は以下でみることができます。
Trees are exploding after the 7 day heat wave - YouTube
今回、枝が折れてしまったのは樹齢200年と推定されるオークの木です。折れた枝の重さは3万ポンド(約13.6トン)と推定されており、現場の様子は1本の巨木が倒れたようにも見えます。
枝は道路の端から端までふさぐほどの大きさで、周辺には非常線が張られています。
幸いにもけが人は出ませんでしたが、付近の送電線が被害を受けました。
枝が折れた部分はこんな感じ。
この木は住宅街の中にあり、定期的に維持管理をされていて健康な状態だったそうですが、8月上旬にオレゴン州を襲った熱波の影響で枝が折れたとみられているとのこと。この熱波により、オークランドは最高気温がカ氏95度(セ氏35度)を超える日が1週間続きました。
樹木医のMichael Jolliff氏は、「熱波は木の内部で組織の熱的変化を引き起こすと共に、木の内部にガスを蓄積させます」「これは突然の爆発を引き起こすことがあります」と述べています。これらの爆発は特に大きなオークの古木で起こりやすく、木の重さも要因の1つだそうです。
熱波の影響で枝が折れる事例は他にも確認されており、ポートランドでは数日前にもパウエル・パークで巨大な枝が折れたことが確認されています。なお、この一件では木そのものも少し腐敗していたとのことですが、熱波や木の重さの影響もあったとJolliff氏は考えています。
Jolliff氏は、地球温暖化によって今後も木が爆発する事態が発生し続けるかもしれないと指摘。
また、木が爆発する前兆を見つけることは難しいそうで、「本当に安全な木はありません」とJolliff氏は述べました。
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