サイエンス

たった1本の樹木でも周囲の気温を下げることが判明


街路樹のようにそれぞれが離されて植えられた木や、たった1本の木でも、周囲の温度を下げる効果があることが研究により明らかになりました。

Spatial configuration and time of day impacts the magnitude of urban tree canopy cooling - IOPscience
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1748-9326/ac12f2


When a single tree makes a difference | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-07/au-was071221.php

アメリカン大学のマイケル・アロンゾ氏らは、夏の暑い日にワシントンD.C.のさまざまな地域で複数回気温を測定。舗装された道路、舗装されていない道路、公園や家庭の庭などさまざまな場所で7万回以上気温を測定しました。

データを分析した結果、ある地域の面積のうち半分を樹冠による日影が占める場合、木の周辺の気温は夕方になると木が少ない地域と比べて最大1.4度低くなることが分かりました。アロンゾ氏らは「高さ15メートルの1本の木の陰は、夕方には56メートルにもなります。これはつまり、ほんの少しの木でも夕方には広い範囲に木陰を作れるということを意味します」と述べています。


さらに、木陰が生み出す冷却効果は夕方から夜明け前まで続くことも分かっています。樹冠が面積の20%を占める地域では、夜明け前の時間であっても木がない地域に比べて気温が低くなっていたとのことです。

気候研究によると、都市部の平均気温は過去に比べて上昇傾向にあります。アロンゾ氏らは「私たちの研究によると、都市部の温暖化を緩和するために個々の木が果たす役割を過小評価してはいけません」「都市計画家は、都市部にたくさんある小さなスペースに木を1本ずつ植えることができます」と述べました。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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