AppleがiPod Touchの販売を終了すると発表、「iPod」21年の歴史に幕

AppleがデジタルオーディオプレイヤーのiPod Touchを、在庫がなくなり次第販売終了すると発表しました。20年以上続いたiPodの歴史がついに終わることとなります。

The music lives on - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2022/05/the-music-lives-on/

RIP iPod 2001-2022: The complete history | Macworld
https://www.macworld.com/article/546753/ipod-timeline-nano-mini-shuffle-touch.html

初代iPodは2001年10月23日に、税別4万7800円で発売されました。初代iPodは5GBのHDDを搭載し、およそ1000曲の音楽を最大10時間再生することができ、4つのボタンとスクロールホイールで操作することができました。iPodはその後世代を重ねながら進化し、HDD搭載型のiPodは「iPod Classic」という名前となりました。

2004年2月20日には、HDDではなくマイクロドライブを搭載した、より小型なiPod miniが登場しました。価格は第1世代が2万6800円で、第2世代が2万7800円から。ストレージ容量は第1世代が4GB、第2世代が4GBと6GB。アメリカでは発売当初から人気が殺到し、品不足のために日本での販売が予定よりも3カ月遅れる事態となりました。

さらに小型で薄いiPod nanoは2005年9月7日に登場。スティーブ・ジョブズ氏が発表会でズボンのコインポケットから取り出してその小ささをアピールし、世間を驚かせました。

steve jobs ipod nano 2005 - YouTube


iPod nanoはストレージにフラッシュメモリを採用したほか、カラー液晶画面を搭載し、アルバムアートワークを見ることができました。以下の画像は第2世代で、容量は2GB・4GB・8GBの3種類が用意されていました。

そして、以下が2012年に登場した第7世代のiPod nano。容量は16GBで、価格は最大で1万7800円。iPod Touchのようにマルチタッチディスプレイを搭載し、ビデオ再生や写真の閲覧も可能。接続コネクタも30ピンではなく、Lightningとなりました。

iPodから画面を排除してフラッシュメモリを搭載し、さらに小型化をはかったのがiPod shuffleです。2005年1月11日に登場した初代iPod shuffleは容量がわずか512MB／1GBでした。以下の画像は2010年に初めて登場した第4世代iPod shuffleで、容量2GBで価格はわずか5800円(発売開始時は4200円)と、非常に低価格で購入できるデジタルオーディオプレイヤーでした。

そして、iPod Touchは2007年9月22日に、初代iPhoneから電話とSMS機能を排除したモデルとして登場しました。iPhoneと同様にマルチタッチパネルを採用し、音楽・画像・動画の再生のほかにウェブブラウジングも可能です。価格は8GBモデルが3万4000円、16GBモデルが4万6000円でした。

iPhoneが進化すると共に、iPod Touchも進化しました。最後の世代となる第7世代iPod Touchは2019年5月28日に発売されました。容量は32GB・128GB・256GBで、A10 Fusionチップと2GBのRAMを搭載しています。

Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアヴァイスプレジデントであるグレッグ・ジョスウィアック氏は「音楽は常にAppleの中核の一部を成すものであり、iPodは音楽業界に大きな影響を与え、何億もの人たちに音楽をもたらしました。今日、iPodの精神は生き続けています。iPhoneからApple Watch、HomePod mini、Mac、iPad、Apple TVまで、すべてのApple製品に素晴らしい音楽体験が統合されています。また、Apple Musicは空間オーディオをサポートし、業界をリードする音質を提供しています。音楽を楽しみ、発見し、体験するための方法としてこれ以上のものはありません」と述べています。