日本語表示の改善やプッシュ通知のオプトイン可などが「Android 13」の開発者向けプレビュー版で実装される
2022年3月17日、Googleが「Android 13」の「開発者向けプレビューバージョン2」を公開しました。日本語表示における「文節」という概念の追加やプッシュ通知のオプトイン可などの改善が行われています。
Android Developers Blog: Android 13 Developer Preview 2
https://android-developers.googleblog.com/2022/03/second-preview-android-13.html
◆プライバシー関連
・プッシュ通知のオプトイン可
これまでのAndroidでは、各アプリのプッシュ通知は「デフォルトで通知を表示しても良い」というオプトアウト式を採用していました。しかし、不要な通知によって最も重要な通知が見逃されるという問題があったため、新たに「POST_NOTIFICATIONS」というランタイム権限を導入して、プッシュ通知を初回表示する前にユーザー側に許可をリクエストするオプトイン式に移行します。
Android 12以前をターゲットにするアプリについては、以上に関する移行処理をシステム側が代行します。この移行処理は引き続き微調整を続ける予定ですが、ユーザー側により多くのコンテキストとコントロールを提供するため、アプリ自体がAndroid 13をターゲットにするようオススメします。
・権限のダウングレード
カメラや連絡先リストへのアクセスなどの権限を付与されていたものの、アップデートによってこの権限が不要になったといったケースについて、これまで付与されていた権限をダウングレードしてユーザーのプライバシーに配慮できる「revokeOwnPermissionsOnKill」という新APIを実装しました。
・コンテキスト登録されたレシーバのエクスポートにおける安全性の改善
Android 12ではインテントフィルタを使用するブロードキャストレシーバで「android:exported」を明示的に宣言しなければならないという仕様変更を行いました。Android 13ではさらにシステム以外のソースに対するレシーバ登録について「RECEIVER_EXPORTED」「RECEIVER_NOT_EXPORTED」というフラグを追加し、コンテキスト登録されたレシーバに対しても同種の仕様を追加しました。
◆開発者向け生産性関連
・日本語表示における「文節」の追加
日本語の表示に関して「文節」でテキストをラッピングできる「lineBreakWordStyle」という属性を追加しました。この機能を使うと、以下のように自然な位置で日本語表示が分割されるようになります。
・非ラテン文字における上下側の文字表示範囲の改善
タミル語やビルマ語、テルグ語、チベット語などで用いられる非ラテン文字について発生していた「文字の一部が途切れる」といった問題について、各文字に適した行の高さを設定しました。各アプリはAndroid 13をターゲットにするだけでこの改善を有効化できますが、UIに影響が出る可能性があるため、必ずテストを行うようにしてください。
・テキスト変換APIの刷新
日本語入力や中国語入力で採用される「表音文字を漢字に変換する」という処理を検索においてスキップできるようにしました。これまではオートコンプリートを用いた検索の際に「名詞をひらがなで入力する→キーボードでひらがなを漢字に変換する→漢字で再検索する→検索結果を取得する」という流れを経ていましたが、Android 13では「名詞をひらがなで入力する→検索結果を取得する」のみが処理されるようになります。
・軽量カラーベクターフォント「COLRv1」の採用
Android 13で、軽量カラーベクターフォント「COLRv1」のレンダリングを新たにサポートし、システム絵文字をCOLRv1形式に改めます。ほとんどのアプリで問題なく動作する見込みですが、開発者向けプレビューバージョン2においてオプトインでアプリのCOLRv1を有効化して、絵文字レンダリングをテストするよう推奨します。
・Bluetooth Low Energyオーディオの実装
新たにBluetooth Classicに代わる次世代ワイヤレスオーディオ「Bluetooth Low Energyオーディオ」をビルトインサポートを実装しました。Bluetooth Low Energyオーディオはバッテリー寿命を犠牲にすることなくHi-Fiオーディオを受信できるように設計されており、従来のBluetooth Classicでは不可能だったユースケースのシームレス切り替えが実現されています。
◆アプリの互換性関連
Android 13 Beta 1で互換性のあるアップデートをリリースするため、開発者に対して早めに作業を行うように推奨しています。Android 13で実装されるオプトイン式の変更によってアプリがどのような影響を受けるかをチェックするため、開発者向けオプションに追加された互換性テスト用のトグルを用いてテストを行うようオススメします。
今回公開したバージョン2は開発者プレビューとしては最終版にあたり、次回のリリースでは初のベータ版が登場する予定です。
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