iPhone 13 Proの半額以下で同等の性能が使える第3世代「iPhone SE」は買いなのか使ってみたレビュー
2022年3月18日に発売された第3世代「iPhone SE」は、記事作成時点で最上位モデルに位置するiPhone 13 Proシリーズで最も安価な「iPhone 13 Pro 128GBモデル」(税込12万2800円)よりもはるかに安価な税込5万7800円から購入可能という、手頃な価格でゲットできるエントリーモデルのiPhoneです。そんな第3世代iPhone SEは実際使えるのか?という疑問に応えるべく、気になる点を使って確かめてみました。
iPhone SE - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/iphone-se/
◆Appleらしいシンプルでミニマルなデザイン
第3世代iPhone SEの見た目はこんな感じ。Apple製品らしいシンプルなデザインが特徴です。
Apple純正アクセサリは高価ですがその分品質が高く、例えばシリコーンケースの場合……
こんな感じで内側がマイクロファイバーの起毛素材になっており、iPhoneをやさしく保護してくれます。
シリコーンケースといえば見た目が貧相で触り心地もチープというイメージがあるかもしれませんが、Apple純正のものはマットな肌触りと長期間使ってもへたれない頑丈さを兼ね備えており、個人的にはかなりオススメ。
第3世代iPhone SEの最大の欠点は、最新機種とは異なる解像度1334×750ピクセルの4.7インチディスプレイを採用しており、ディスプレイの上下にはベゼルがあるという点。
そのため、6.1インチディスプレイを持つiPhone 12/13と比べるとこれくらい表示面積が異なってきます。
なお、第3世代iPhone SEのより詳細なデザインや、歴代iPhone SEとの比較写真が気になるという人は、以下の記事をチェックしてみてください。
第3世代「iPhone SE」速攻開封&フォトレビュー、一体何が変わったのか? - GIGAZINE
◆iPhone 13シリーズと同じA15 Bionic搭載で最新ゲームもサクサクプレイ可能
第3世代iPhone SEは最上位モデルのiPhone 13 Proと同じA15 Bionicを搭載しています。なお、A15 BionicのCPUは6コアで、ベース動作クロック周波数は3.23GHz。
A15 Bionicは2022年3月時点でiPhoneに搭載されているチップとしては最新のものであるため、原神などの最新のゲームアプリをプレイしても、画面がカクついたりアプリが落ちたりすることは一切ありません。ただし、iPhone 13などのベゼルがほとんどないモデルに慣れている人からすると、ディスプレイの小ささは気になるポイントのひとつとなりそうです。なお、プレイ時の画質などはすべて初期設定のまま。
実際に第3世代iPhone SEで原神をプレイしている様子は以下のムービーでチェックできます。マップの移動時に生じるロードがあまりに爆速なため、PlayStation 4で原神をプレイしている編集部員は感動していました。
第3世代iPhone SEで原神をプレイ - YouTube
Geekbench 5を使って第3世代iPhone SEをベンチマークテストしてみた結果が以下の画像で、CPUスコアはシングルコアが「1740」、マルチコアが「4190」。
Metalスコアは「11434」でした。
なお、同じチップを搭載しているiPhone 13のGeekbench 5スコアはシングルコアが「1675」、マルチコアが「4485」、Metalが「10891」で、iPhone 13 ProはCPUのシングルコアが「1698」、CPUのマルチコアが「4649」、Metalが「14224」です。
◆5G対応
第3世代iPhone SEは、5Gにも対応しています。5Gの対応エリアおよび通信速度はキャリアごとに異なりますが、YouTubeやTwitterなどで動画を頻繁に再生する人や、通信速度は少しでも速い方がいいという人にとってはうれしいポイント。
◆第2世代iPhone SEよりも優れたバッテリー、ただしMagSafeは非対応
Appleは第3世代iPhone SEのバッテリー容量を明かしていませんが、バッテリーについて「(第2世代iPhone SEと比べて)最大2時間長いビデオ再生時間」(最大15時間)と称しています。
なお、各iPhoneのバッテリー容量および公称のビデオ再生時間は以下の通りです。
第2世代iPhone SE:1821mAh:ビデオ再生最大13時間
iPhone13 mini:2406mAh:ビデオ再生最大17時間
iPhone13:3227mAh:ビデオ再生最大19時間
iPhone 13 Pro:3095mAh:ビデオ再生最大22時間
iPhone 13 Pro Max:4352mAh:ビデオ再生最大28時間
また、公式サイト上に「20W以上の電源アダプタを使えば30分で最大50%の充電が可能」とも記されていたので、Apple公式の20W USB-C電源アダプタを使って30分で第3世代iPhone SEをどれだけ充電できるか試してみました。充電前のタイミングでのバッテリー残量は49%。
30分後のバッテリー残量は83%ということで、34%の充電に成功。
なお、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」の順にタップして開くことができる画面の、過剰充電を防ぐことでバッテリーの劣化を軽減するためのオプション「バッテリー充電の最適化」がデフォルトで有効になっているため、これが何かしらの影響を与えた可能性もあります。
また、第3世代iPhone SEはワイヤレス充電には対応しているものの、iPhone 12以降で対応しているMagSafeには非対応。つまり、MagSafe対応iPhoneレザーウォレットやMagSafeバッテリーパックは利用できない点には注意が必要です。
◆iPhoneらしいパワフルなカメラ
メインカメラはスペック上変化はありませんが、A15 Bionicを搭載したことで新しくDeep FusionやスマートHDR 4、フォトグラフスタイルといった機能が利用可能となっています。そのため、日常生活のちょっとした瞬間を切り抜くには十分すぎる性能で、4K/60fpsのムービーを撮影することもできます。
以下は第3世代iPhone SEで撮影した未補正の写真
ただし、夜間撮影に特化したナイトモードは利用できず、ポートレートモードでは人以外を認識することができません。
そのため、iPhoneを使っていろんな写真が撮りたいという人にはオススメできないモデルといえそうです。
◆その他
AppleはiPhoneのソフトウェアアップデートをかなり長期間にわたり提供しており、記事作成時点で最新のOSとなるiOS 15.4は2015年に発売されたiPhone 6s以降のすべてのモデルで利用可能です。一方で、Androidの場合はGoogleの販売するPixel 5aですらソフトウェアアップデートが3年しか保証されていません。
ただし、電源アダプタとEarPodsが同梱されていないため、初めてiPhoneを購入するというユーザーの場合は、別途電源アダプタなどのアクセサリを購入する必要があります。
◆まとめ
実際に使ってみてわかったのは、ハイエンドモデルのiPhone 13 ProやミドルレンジモデルのiPhone 13と明確に差別化されているものの、「チップが世代遅れなので動作がモッサリしている」などと言ったことは一切なく、必要不可欠な機能に欠点はないということ。スマートフォン選びに「大画面で動画が見たい!」「高性能なカメラで写真を撮りまくりたい!」「少しでもバッテリー持ちが長いiPhoneがいい!」などの明確な利用を持っておらず、ただ古くなって動作がモッサリしてきたから買い替え時だと感じている人は、A15 Bionicにより最先端のモバイルゲームもサクサク動く第3世代iPhone SEを選んでおけば、コスパもよく安定といえそうです。
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