オミクロン株に対するワクチンのブースター接種は接種4カ月後でも一定の保護効果を発揮する
2020年から流行している新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンは、基本的に2回接種することで「接種完了」となりますが、接種から時間が経過すると保護力が低下することがわかっていて、3回目の接種(ブースター接種)が提唱されています。しかし、「デルタ株」や「オミクロン株」に対して、ブースター接種がどれだけ保護力を持続するのかについてはほとんどわかっていないということで、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)がデータを集め、ブースター接種から2カ月後・4カ月後の保護効果を明らかにしています。
Waning 2-Dose and 3-Dose Effectiveness of mRNA Vaccines Against COVID-19–Associated Emergency Department and Urgent Care Encounters and Hospitalizations Among Adults During Periods of Delta and Omicron Variant Predominance — VISION Network, 10 States, August 2021–January 2022 | MMWR
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7107e2.htm
Booster protection from omicron hospital stay dips from 91% to 78% | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2022/02/cdc-boosters-mostly-holding-against-omicron-but-4th-shots-may-still-be-ahead/
CDCは10州以上の救急医療・緊急医療(ED/UC)受診患者、および入院患者のデータを集めて、ブースター接種のワクチン有効性(VE)の評価を行いました。
その結果、VEはデルタ株が優位だった時期より、オミクロン株が優位になった時期の方が低くなったことが示されました。
オミクロン株優位の時期のVEは、ED/UC受診患者の場合、接種から2カ月後が87%、4カ月後が66%。入院患者の場合、接種から2カ月後が91%、4カ月後が78%でした。ED/UC受診患者のVEより入院患者のVEの方が高いというのは、デルタ株優位期・オミクロン株優位期ともにみられる傾向だったとのこと。
なお、2回目接種から5カ月以上経過したあとのワクチン有効性は37%でした。
CDCは、新型コロナウイルスに感染しての通院・入院を防ぐためにワクチンの予防接種は常に最新の状態に保つ必要がある、つまり「ブースター接種は行った方がよい」と結論付け、4カ月後のワクチン有効性の減衰度合いから、新型コロナに関連する通院・入院に対する保護や状況改善のため、さらなる追加服用を検討することの重要性を強化する結果であるとも述べています。
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