カーボンナノチューブ採用サーマルパッド「Carbice Ice Pad」はどれぐらいCPUを冷やす効果があるのか?

カーボンナノチューブ(CNT)を熱伝導材に使うCarbiceの「Ice Pad」はCPUの熱をクーラー側へ移すシート状のサーマルパッドで、一般的なグリスとは異なり、熱や圧力の変化によって接触面になじみ、長期にわたる安定した熱伝達を目指す仕組みを採用しています。高性能グリスや相変化型のサーマルパッドと比べた場合、CPU温度にはどのような差が生じるかについて、ハードウェア系ニュースサイトのLTT LabsがRyzen 9 9950X3Dを用いて検証しています。
Carbon Nanotube CPU Cooling with Carbice | LTT Labs
https://www.lttlabs.com/articles/2026/05/26/carbice-ice-pads
Carbiceは薄いアルミニウム基材の両面にCNTを密集して成長させ、その表面をポリマーで覆う構造を採用しています。

Ice PadはCNT層の厚さが20~50μmで、アルミニウム基材と両側のCNT層を合わせたパッド全体の厚さが90~150μmです。CNTは熱を通しやすい一方で、先端と接触面の面積が小さいため、そのままでは熱抵抗が大きくなります。Ice Padでは、ポリマー層がCNTと接触面の間をなじませて接触面積を増やし、CNT自体も圧力や繰り返しの温度変化で曲がって表面の細かな凹凸に沿うことで、熱抵抗を下げます。

LTT Labsは、Ryzen 9 9950X3DとASUS ROG Strix X670E-F GAMING WIFIを組み合わせ、空冷のNoctua NH-D15 G2と簡易水冷のArctic Liquid Freezer III 360で検証しました。
Ice Padとの比較対象は、サーマルグリスのNoctua NT-H2(左)と、相変化型サーマルパッドのPTM7950(右)です。

環境チャンバー内の温度は20℃に固定され、ファンと水冷ポンプはいずれも100%で動作させています。比較したのはIce Pad、Noctua NT-H2、PTM7950の3種類で、各クーラーに対してそれぞれ2回ずつ装着と測定を実施しました。温度はHWInfoで記録したCPUダイ上の最高温度「CPU(Tctl/Tdie)」を使用し、CPU消費電力とクロックも各条件でほぼ同じであることを確認しています。

以下の表の上段は、2回の測定値とその平均値を併記したもので、下段はNT-H2の平均温度と、それに対するPTM7950およびIce Padの温度差を示しています。テスト用の負荷にはPC診断ツールのOCCTと、レーシングゲームの「F1 24」が使われました。

結果を見ると、空冷クーラーでOCCTを実行した場合、NT-H2とPTM7950はともに69℃だったのに対しIce Padは75℃で、6℃高くなりました。「F1 24」を実行した場合は、空冷時にNT-H2とPTM7950が52℃、Ice Padが56℃となり、差は4℃でした。簡易水冷ではF1 24実行時にNT-H2とPTM7950が48℃、Ice Padが55℃で7℃の差が付き、OCCT実行時にはNT-H2が69℃、PTM7950が68℃、Ice Padが81℃となりました。LTT Labsは、水冷でのOCCT結果を外れ値として除いても、Ice PadはNT-H2とPTM7950より4~8℃高温になる傾向だったとまとめています。
ただし、Ice Padは装着直後に本来の性能を発揮するわけではなく、ポリマー層をCNT層へなじませる「活性化」が必要です。性能試験ではパッド両面を33~37℃まで数分間以上温める必要があるため、LTT Labsは各装着後に少なくとも15分間のOCCT実行を行ったとのこと。さらに、簡易水冷のポンプを停止してCPU温度を上げる方法で活性化をやり直したところ、Ice PadはNT-H2とPTM7950より4℃高い水準になりました。
Carbiceは「一般的なグリスで起こり得るポンプアウトや乾燥がないため、熱サイクルを重ねるほどCNTが接触面になじみ、長期では性能と安定性が高まる」と説明しています。今回の短期テストでは、Ice Padを含む3種類の熱伝導材はいずれもCPUが温度上限に達してサーマルスロットリングを起こすのを防げるだけの冷却性能を示しました。

以下は、Ice Padを取り外して再装着するたびに活性化を行い、その後のOCCT実行時に得られた平均温度をまとめた表です。上から初貼付・清掃後再貼付・90度回転して貼付・もう一度90度回転して貼付・さらに90度回転して貼付・90度回転した上で裏返して貼付しています。LTT Labsは、この予備的な試験では熱性能がわずかに改善したか、大きくは悪化しなかったと評価しています。

ただし、Ice Padは取り外す際にCPUやクーラー側へ張り付き、表面のCNT層が一部失われる場合があります。実際にLTT Labsの検証では、何度も付け外しした個体は大きく劣化しなかった一方、別の個体では最初の取り外し後にCNT層の15~20%が失われたこともあったそうです。そのため、LTT LabsはIce Padの再利用を推奨していません。

Carbiceも一度装着したIce Padの再利用を推奨しておらず、取り外した場合は新しいパッドへの交換が基本となります。Ice Padは2025年8月以降、CyberPowerPCのBTO構成で10ドル(約1610円)のオプションとして提供されていますが、単体製品としては一般消費者向けに販売されていません。
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in ハードウェア, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article How effective is the 'Carbice Ice Pad,' ….







