ゲーム

「サイバーパンク2077」の改善コストで開発会社CD Projektの収益が悪化、ゲーム配信サイト「GOG.com」も縮小する可能性

by steamXO

アクションロールプレイングゲーム「サイバーパンク2077」や「ウィッチャー」シリーズで知られるゲーム開発会社・CD Projektが2021年第3四半期の業績を発表しました。これにより、CD Projektの売り上げが増加している一方で、不具合が多かった「サイバーパンク2077」の改修費用や新プロジェクトの開発費が利益を圧迫し収益が予想を下回ったことや、同社が運営するゲーム配信プラットフォーム「GOG.com」の人員が削減される見通しなどが明らかになりました。

Result Center Archive - CD PROJEKT
https://www.cdprojekt.com/en/investors/result-center/

CD Projekt sales up but GOG struggles | GamesIndustry.biz
https://www.gamesindustry.biz/articles/2021-11-29-cd-projekt-sales-up-but-gog-struggles

Cyberpunk 2077 Issues Hurt CD Projekt's Profit - GameSpot
https://www.gamespot.com/articles/cyberpunk-2077-issues-hurt-cd-projekts-profit/1100-6498395/

GOG is losing money and refocusing on ‘handpicked selection of games’ - The Verge
https://www.theverge.com/2021/11/29/22808199/cd-projekt-gog-losses-restructuring-earnings-2021

ポーランドのゲーム開発会社・CD Projektが2020年12月にリリースした「サイバーパンク2077」は、発売後に多数のバグやセーブデータの破損問題、PlayStation 4版やXbox One版で解像度やフレームレートが低すぎる不具合などが相次いで発覚し、この問題は集団訴訟にまで発展しました。

その後、CD Projektが「サイバーパンク2077」の問題解決に務めた結果、リリースから半年後の2021年6月にはPlayStation Storeから削除されていた同作の配信が再開。約1年が経過した2021年11月には、ゲーム配信プラットフォーム「Steam」での評価が「好評」に転じました。

不具合多発で酷評だらけだった「サイバーパンク2077」のSteam上の評価が好評に転じる - GIGAZINE


しかし、「サイバーパンク2077」の改善にかかった費用は、CD Projektの財政上の大きな負担となりました。同社が11月29日に発表した2021年第3四半期の業績報告によると、今期の売り上げは前年同期比38%増の1億4400万ズウォティ(約39億5000万円)だったものの、純利益は30%減の1630万ズウォティ(約4億4000万円)と低調だったとのこと。

CD Projektのヴァイス・プレジデント兼最高財務責任者(CFO)であるPiotr Nielubowicz氏は、「利益の縮小は、『サイバーパンク2077』のアップデートやサービスのコストがかさんだことと、開発初期段階にある新規プロジェクトの初期投資に起因していると考えています」と説明しました。

また、CD Projektの収益が振るわなかった要因の1つに、同社が運営するゲーム配信プラットフォーム「GOG.com」の不振が挙げられます。GOG.comでは、「サイバーパンク2077」や「ウィッチャー」シリーズなどのCD Projektの主力タイトルが配信されているほか、「Psychonauts 2」や「Myst」といったサードパーティー製の新作も多数投入されたにもかかわらず、今期の収益は前年同期比3%増の4180万ズウォティ(約11億5000万円)にとどまったとのこと。その結果、GOGの純損失は475万ズウォティ(約1億3000万円)となり、前年同期の利益である13万ズウォティ(約350万円)から大きく悪化しました。

by Yuri Samoilov

GOGの苦戦を受けて、Nielubowicz氏は「何よりもまず、GOGはその中核となる事業活動にもっと集中すべきだと考えました。このアプローチに沿って、チーム体制も改編されます」と述べて、GOGに携わっていたスタッフをほかのプロジェクトに異動させる考えを示しました。IT系ニュースサイト・The Vergeによると、GOGは2019年にもスタッフの1割を解雇しており、これについてCD Projektのあるスタッフは「Steamとの競争の激化が原因」と証言しているとのことです。

CD Projektは、「サイバーパンク2077」のPlayStation 5版およびXbox Series X/S版を2022年の第1四半期に、「ウィッチャー3 ワイルドハント」の次世代機版を同年第2四半期にリリースする予定であるとしており、Nielubowicz氏は「『サイバーパンク2077』のコストは、次世代機版がリリースされれば大幅に減少するはずです」と述べて、2022年中には「サイバーパンク2077」関連の出費が落ち着く見通しだと説明しました。

by Pablo Nova

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「30日以内ならどれだけゲームをプレイしても全額払い戻し可能」なゲーム販売プラットフォームが誕生 - GIGAZINE

「サイバーパンク2077はなぜひどい状態でリリースされたのか?」が開発現場のスタッフへのインタビューで明らかに - GIGAZINE

不具合多発で酷評だらけだった「サイバーパンク2077」のSteam上の評価が好評に転じる - GIGAZINE

バグだらけでPlayStation Storeから削除された「サイバーパンク2077」が復活、ただしPS4版は「パフォーマンスの問題あり」と注意事項に明記 - GIGAZINE

「サイバーパンク2077」の開発元がアメリカでも集団訴訟を起こされる - GIGAZINE

in ゲーム, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.