メモ

「警察にスマホのパスコードを教えないこと」は憲法で守られた権利だと電子フロンティア財団が主張


アメリカ・ユタ州の地方裁判所で、検察官が「被告人が取り調べで警察にスマートフォンのパスコードを教えなかったこと」を指摘し、これを理由に有罪を推定する事態が発生しました。この刑事裁判について、電子フロンティア財団アメリカ自由人権協会と共同で、「合衆国憲法によって容疑者が警察にスマートフォンのパスコードを教えない権利が保障されている」とするアミカスブリーフ(意見書)を最高裁判所に提出しました。

Cell phone passcodes are protected, Utah court rules
https://www.fox13now.com/news/local-news/cell-phone-passcodes-are-protected-utah-court-rules

Court says suspect’s refusal to give police a cell phone unlock code is protected by 5th Amendment | News, Sports, Jobs - Standard-Examiner
https://www.standard.net/police-fire/courts/2021/feb/16/court-says-suspects-refusal-to-give-police-a-cell-phone-unlock-code-is-protected-by-th-amendment/

Police Can’t Demand You Reveal Your Phone Passcode and Then Tell a Jury You Refused | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/deeplinks/2021/10/police-cant-demand-you-reveal-your-phone-passcode-and-then-tell-jury-you-refused

問題となった刑事裁判の被告人は、アルフォンソ・マルゴ・バルデスという55歳の男です。バルデスは元ガールフレンドに銃を突きつけて脅し、車に押し込んで銃で殴ったりナイフで顔を切ったりした上に財布と携帯電話を盗んだとして、誘拐・強盗・加重暴行の罪で起訴されました。


バルデスは取り調べに対し、元ガールフレンドとは敵対的な状況にあったのではなく、事件の前には和解について話し合う友好的なテキストメッセージをやり取りしていたと主張。元妻もこのテキストを見たと証言しましたが、スマートフォンの中にあるメッセージを刑事に見せるためにパスコードを教えることについては拒否し、刑事はメッセージの存在を確認できませんでした。

地方裁判所で行われた裁判の中で、検察官はバルデスがパスコードを教えるのを拒否したことを取り上げ、裁判官も取り調べを行った刑事が証言することを認めました。また、検察官は「パスコードを教えなかったということから、スマートフォンの中にはバルデスが主張するようなメッセージは存在しないと推論するべきである」と主張し、バルデスの有罪を支持する要素の1つになると訴えました。


結局、地方裁判所ではバルデスに有罪判決が下されましたが、バルデスは「検察官や裁判官による一連の行為は、自己に不利益な供述を強要されないとする自己負罪拒否特権を認めた憲法修正第5条に違反する」と主張して控訴。2021年2月に控訴裁判所での審理が行われました。

地方裁判所のジョセフ・ビーン裁判官は、修正第5条は「スマートフォンのパスコードを教えるかどうか」には当てはまらないと主張していますが、控訴裁判所は「スマートフォンのパスコードを法執行機関に教えることは、修正第5条によって保護されている『証言』行為に当たる」との判決を下しました。つまり、裁判官が刑事の証言を認めたり、パスコードを教えなかったことを基に有罪だと推論したりしたことは、憲法で保護されているバルデスの権利を侵害するものだと判断したわけです。

結果的に控訴裁判所は、地方裁判所で下されたバルデスの有罪判決を取り消しました。記事作成時点では、審理はユタ州の最高裁判所に持ち越されています。そんな中、電子フロンティア財団とアメリカ自由人権協会は最高裁判所に対し、「被告人の憲法修正第5条で認められた権利は保護されるべき」と主張する(PDFファイル)意見書を送付しました。

意見書では、「国家は容疑者の心の中だけに存在する情報を思い出し、共有することを強制することはできません。デジタル時代の現実は懸念を増幅させ、修正第5条による保護を活気づけます。控訴裁判所はこれらの原則に従って、暗記したパスコードを伝えることは証言であり、バルデスがパスコードの通知を拒否したことを国家が裁判で使用することは、自己負罪拒否特権を侵害するものと判断しました」と述べられています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「児ポ容疑者にPCのパスワードを自白させるのは違憲」との最高裁判決 - GIGAZINE

4年にわたりハードディスクの暗号化を解除するパスワードの提供を拒否し続けた男が釈放される - GIGAZINE

警察はiPhoneのパスコードをわざわざ破らなくてもあっさりiPhoneに侵入できるとの指摘 - GIGAZINE

警察が殺された被害者のスマホのロックを解除すべく専門家に3Dプリンターで指紋作成を依頼 - GIGAZINE

アメリカ国籍を持つAppleの技術者が「スマートフォンやPCのロックを解除しろ」とアメリカ入国時に求められる - GIGAZINE

犯罪捜査で「iPhoneのロック解除」は行われるべきなのか? - GIGAZINE

iPhoneを本人以外でもロック解除できる「GrayKey」がどのように動作するのかという説明書が流出 - GIGAZINE

Appleは実に過去70回も捜査のためにパスワードを解除していた - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.