メモ

膨大な電力を消費する暗号資産のマイニング業者は炭素排出量の削減に苦心している


ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産の一部は、新しいブロックチェーンを追加するために難解な計算を解く「マイニング」の報酬として得ることができます。そんなマイニングによって炭素排出量が増加しているという批判をかわすため、マイニング企業が再生可能エネルギーを導入して可能な限り炭素排出量を抑えようとしていると、経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。

Crypto Miners Struggle to Cut Carbon Emissions - WSJ
https://www.wsj.com/articles/crypto-miners-struggle-to-cut-carbon-emissions-11634808781

マイニングに求められる計算量は膨大であり、一番早く問題を解いた者にしか報酬が与えられません。誰よりも早く大量にマイニングを行うため、高性能なコンピューターを何台も同時に動かしてマイニングを行う企業が早々に登場しました。

1ヶ月で約1億8000万円を仮想通貨で稼ぎ出す巨大施設に潜入、知られざるその実態とは? - GIGAZINE


しかし、何十台あるいは何百台ものコンピューターをフル稼働させて暗号計算を解かせるためには、膨大な電力が必要となります。そのため、暗号資産のマイニングは二酸化炭素やメタンといった温暖化ガスの過剰な排出を招き、地球温暖化を引き起こす大きな原因の1つになっているという指摘もあります。

地球温暖化はビットコインマイニングだけで2033年までに限界を迎える - GIGAZINE


マイニング企業は電気代が安い地域にマイニング専用施設を建設する傾向にあります。安価な電気のほとんどが火力発電によるものなので、結果としてマイニングによる炭素排出量はなかなか削減できていないのが現状。ビットコインのマイニングによるエネルギー消費を研究する経済学者のAlex de Vries氏は、「暗号資産をマイニングする人は電気代を気にしており、気候を気にするほどの余裕はありません」と述べています。

そんな暗号資産のマイニングによる炭素排出量を減らすべく、アメリカのニューヨーク州でマイニングへの化石燃料の使用を禁じる法案が検討されているように、一部の国や地域ではマイニング企業への取り締まりが強化されつつあります。

また、ビットコインのマイニング企業の中には、風力発電や太陽光発電などによる再生可能エネルギーを使っていると主張する企業も存在します。例えば、世界で初めてビットコインを法定通貨とするエルサルバドルでは、火山地帯での地熱発電から電力を得ているマイニング企業が登場しているとのこと。さらに、原子力発電所と提携したマイニング施設を建設する企業も登場しています。

ビットコインの採掘企業が「原子力発電」と手を組む動きが進んでいる、環境に優しい電力源として - GIGAZINE


加えて、2021年4月には「2030年までに暗号資産のマイニングによる炭素排出量をゼロに削減する」ことを目指す業界協定「Crypto Climate Accord」も発表され、記事作成時点で180社の暗号資産関連企業が参加を表明しています。そのうちの1社であるGryphon Digital Miningは21メガワットの水力発電施設を立ち上げ、さらに電力の半分以上を再生可能エネルギーを供給する電力会社と契約したことで、炭素排出量を実質ゼロにしたと主張しています。

しかし、de Vries氏は、環境に優しい再生可能エネルギーをマイニングにつぎ込もうとしても、マイニング施設が稼働するレベルに持っていくためには結局化石燃料由来の電力を使わざるを得ないのが現状であり、マイニング企業が電力供給源を再生可能エネルギーに切り替えるだけでは化石燃料の消費を止めることはできないとみています。

なお、経済関連の研究機関であるCambridge Center for Alternative Financeによれば、中国で暗号資産の取引が禁止された直後、世界全体におけるビットコインのマイニング活動は20%減少したとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ヤフオクに60万円でNVIDIAの未発表マイニング専用ボード「CMP 170HX」と思われる製品が出品される - GIGAZINE

ビットコインが史上最高値を6万7000ドル(約770万円)超に更新 - GIGAZINE

ビットコイン先物ETFが1日で1100億円近く取引される記録破りの注目度、そもそもETFとは一体何? - GIGAZINE

イーサリアムの考案者がエルサルバドルのビットコイン推進を批判、「暗号資産の自由の精神に反する」との指摘 - GIGAZINE

安全なはずの暗号資産「テザー」が中国の大企業に多額の融資をしているとの報道、テザーの「取り付け騒ぎ」に懸念 - GIGAZINE

暗号資産を取引するハムスター「Mr.Goxx」が1万円を稼ぐ - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.