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Facebookが無料で即座に国際間送金が可能なデジタルウォレット「Novi」の展開をスタート


Facebookが2021年10月19日に、無料で即座に国際間送金が可能なデジタルウォレット「Novi」を試験的に展開することを発表しました。Noviはアメリカの暗号資産取引所・Coinbaseと提携し、価格がアメリカドルと連動するステーブルコインであるPax Dollar(USDP)を利用することで、手数料ゼロで即座の送金を可能にしているとのことです。

Say goodbye to delays and fees and say ???? to Novi — currently rolling out in Guatemala and most of the United States on the Apple App Store and Google Play Store. Check back here for the latest updates on availability, or visit https://t.co/STs3PiQnvv pic.twitter.com/ESoavo5nym

— Novi (@novi)


International Money Transfers & Remittances | Novi
https://www.novi.com/

Coinbase to power crypto custody for Facebook’s Novi | by Coinbase | Oct, 2021 | The Coinbase Blog
https://blog.coinbase.com/coinbase-to-power-crypto-custody-for-facebooks-novi-90dc8d3f5830

Facebook’s Novi digital wallet finally launches... without Diem cryptocurrency - The Verge
https://www.theverge.com/2021/10/19/22734487/facebook-novi-digital-wallet-pilot-program-payments-diem-cryptocurrency

Facebookは独自のデジタルウォレット「Novi」を、南米のグアテマラとアメリカの大部分でパイロット展開することを発表しました。Noviは国際送金にかかる手数料や為替レートの変動による影響を受けることなく、現地通貨を用いてお金を送ったり引き出したりできるとしています。また、Noviのユーザーは政府が発行した顔写真付きのIDを使用し、サインアップする全てのユーザーが本人であることが確認されるとのこと。


Noviが手数料なしの送金を実現しているのは、アメリカドルと連動して値動きする暗号資産(仮想通貨)のUSDPを使っているためです。Noviのデジタルウォレットに入金されたお金は1ドル=1USDPのレートでUSDPに交換され、現金ではなくUSDPをデジタルウォレット間でやり取りすることで無料かつ即座の送金が可能です。送金にかかる時間はわずか数秒だそうで、まるでメッセージの送受信と同じくらい簡単にお金のやり取りができると説明しています。


FacebookはNoviの管理パートナーとして、ニューヨーク州の金融サービス局の認可を受けている暗号資産取引所のCoinbaseと提携しています。Coinbaseはプラットフォーム上に存在する1800億ドル(約21兆円)もの暗号資産を安全に管理している実績を持っており、NoviユーザーはCoinbaseが提供する商業犯罪保険サービスなどで保護されているとのこと。

Facebookの金融分野専門チームであるF2(Facebook Financial)の責任者を務めるDavid Marcus氏は、今回のパイロット展開はNoviのコア機能やカスタマーケア、コンプライアンスの運用といった点をテストすることが目的だと説明しています。

We’re doing a pilot to test core feature functions, and our operational capabilities in customer care and compliance. We’re also hopeful this will demonstrate a new stablecoin use case (as a payments instrument) beyond how they are typically used today. 2/8

— David Marcus (@davidmarcus)


Marcus氏によると、グアテマラではほぼ100%の人が携帯電話を持っているにもかかわらず、56%の人々が金融サービスにアクセスできないとのこと。また、海外からの送金がグアテマラのGDPに占める割合は14%であり、そのうち90%がアメリカからの送金であることから、アメリカとグアテマラ間の送金サービスを整えることは非常に重要だと主張しています。

The ????????-???????? remittance corridor is an important one. In Guatemala, 56% of people lack access to financial services, despite nearly 100% having mobile phones. Money sent from family & friends abroad contributes more than 14% of GDP and 90% of those remittances come from the US. 3/8

— David Marcus (@davidmarcus)


また、Noviは個人間送金を無料で提供しつつ、顧客基盤が確立できたら有料の商業支払いサービスを展開する予定だそうです。Noviをスケールアップするには時間がかかるため、今回のパイロット展開はユーザーからのフィードバックを受ける絶好の機会だとMarcus氏は述べました。


Noviはグアテマラとアメリカの大部分で、App StoreやGoogle Playから入手可能です。アプリをダウンロードしたユーザーは電話番号でサインアップし、その他の設定を済ませる必要がありますが、ユーザーはダウンロードしてすぐに設定ができるとは限らず、順番待ちリストに入れられる場合もある模様。

なお、記事作成時点ではNoviで送金可能な暗号資産はUSDPだけであり、Facebookが発表した独自の仮想通貨「Diem(旧Libra)」は組み込まれていません。しかし、Facebookは依然としてDiemの取り組みを継続しており、規制当局の承認が得られたらNoviをDiemと共にリリースする予定だとのことです。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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