映画

ハリウッドの映像制作者労組がほぼ満場一致でストライキを承認


アメリカの映画やテレビ番組などの制作クルーの労働組合であるThe International Alliance of Theatrical Stage(国際映画劇場労働組合:IATSE)が映画会社やテレビ局などの労働条件を不服として労働条件改正を求めていた問題について、IATSE内部で行われたストライキ承認投票で組合員の98%が賛成票を投じました。IATSEによると、同組合の128年にも及ぶ歴史の中で全国的なストライキが承認されたのは初とのことです。

IATSE | Area Standards Agreement
https://www.asa.iatse.net/

IATSE Vote Results in Authorization to Call a Strike - dot.LA
https://dot.la/iatse-vote-2655219942.html

IATSE members approve strike authorization - Los Angeles Times
https://www.latimes.com/entertainment-arts/business/story/2021-10-04/iatse-strike-hollywood-crews-contract-labor-negotiations

IATSE strike: Hollywood production workers authorize strike
https://www.cnbc.com/2021/10/04/iatse-strike-hollywood-union-workers-approve-measure-to-call-a-strike.html

IATSEはカメラマンやメイクアップアーティスト、ロケーションマネージャー、特殊効果、ヘアスタイリストなど、映像系エンターテインメントのいわゆる裏方に属する人々によって結成される労働組合です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行によって動画コンテンツの需要が急増し続ける中、IATSEはディズニー、ワーナー・ブラザース、ソニーなどの映画会社やNetflix、Amazonなどの配信サービス事業者、そしてテレビ局らが所属する業界団体Alliance of Motion Picture and Television Producers(全米映画テレビ制作社協会)に対して労働条件改正を求めていました。


IATSEは、過度に危険で有害な労働時間、生活不可能なほど低い賃金、食事休憩などの休憩が勤務時間中に確保できないばかりか週末にさえ休みが存在しないという問題、超大作映画級の予算が割かれているストリーミング系番組でもクルーの賃金が低すぎる問題などについて、改善を求めていました。IATSEによると、こうした問題は長らく存在していたものの、昨今のパンデミックによるストリーミングサービスの需要増により事情がさらに悪化し、「臨界点に達した」とのこと。

こうした経緯からIATSEは全米映画テレビ制作社協会との労働交渉に入りましたが、この交渉は数カ月続いた後に全米映画テレビ制作社協会側がコロナ禍による出費増を理由に要望を拒否。現行の2年間にわたる労働契約の期限を2021年7月31日から10月31日へ延長させたものの、話し合い自体に進展はみられない状態でした。

このような流れの中で、IATSEは組合内で「会長にストライキの実施を一任するか否か」に関する投票を実施。IATSE会長にストライキを要請するには各支部の組合員の75%が賛同しなければならないというハードルが存在しましたが、全36支部で投票率約90%・賛成票98%超という圧倒的な支持によって可決に至りました。


今回の投票によってIATSE組合員がストライキに圧倒的賛意を示していることが明らかになりましたが、2021年10月4日時点ではIATSEはストライキを宣言していません。全米映画テレビ制作社協会は「ストライキは業界に壊滅的な影響を及ぼし、必然的に何千人ものIATSE組合員が収入や健康保険給付資格、年金受給資格を失うでしょう」とコメントしています。

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in 映画, Posted by darkhorse_log

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