ソフトバンクが成層圏通信プラットフォームの特許約200件を取得、特許保有数は業界最大規模に
気球を用いた移動体通信システムを展開していた「Loon」から、ソフトバンクが成層圏通信プラットフォーム(HAPS)に関する特許約200件を取得しました。これにより、ソフトバンクはすでに所有しているものと合わせて、HAPS関連特許を約500件保有することになり、特許保有数は業界最大規模となりました。
ソフトバンク、Alphabetの子会社「Loon」から成層圏通信プラットフォーム(HAPS)の特許約200件を取得 | プレスリリース | ニュース | 企業・IR | ソフトバンク
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「Loon」は、Googleの兄弟会社・Xが2013年にスタートした、気球を用いた移動体通信システム。インターネットの接続環境がない地域に向けてサービスを提供することを目的として推進され、2020年7月からケニアの山岳地帯で商業展開をスタート。
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気球の改善も進み、2020年10月には気球の連続飛行日数「312日」という記録も打ち立てました。
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しかし、「長期的で持続可能なビジネスを構築するだけの低コストが実現できなかった」として、2021年1月に事業は停止となり、Loonに携わっていたメンバーはAlphabetやGoogleのその他のプロジェクトへ振り分けられました。
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ソフトバンクは2019年4月、子会社の「HAPSモバイル」を通じてLoonと戦略的関係の構築に合意し、1億2500万ドル(約140億円)を出資していました。
Alphabetの子会社「Loon」とソフトバンクの子会社「HAPSモバイル」、高高度通信ネットワークの展開に向けた戦略的関係の構築について合意 | プレスリリース | ニュース | 企業・IR | ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2019/20190425_01/
ソフトバンクは特許取得により、Loonのイノベーションと技術を継承して、HAPSの商用化に向けた取り組みをさらに加速させるとともに、HAPSエコシステムの実現を目指す業界団体「HAPSアライアンス」を通じて業界全体の発展に貢献していくことを表明しています。
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